ToDoリストやカンバンにタスクを入れ、やることが整理できて頭がすっきりした……のに気がついたら時間がない、なんて悩んでいませんか? ToDoリストやカンバンはタスクの見える化、整理にとても便利ですが、欠点もあります。それが何かというと、時間の管理、かかる時間の見積もりです。
優先度の高い、緊急性の高いタスクの整理ができますが、それだけで時間がいっぱいになってしまって、その他のやりたいタスクができなくなっている恐れがあります。
- 自己啓発のために読書をしたい
- 資格試験の勉強をしたい
- CRMから休眠している見込み客を引っ張りだしたい
- 継続的に出している広告を見直したい
- 細かな経費の中から無駄を見つけたい
- 健康のために運動!
こういった、緊急性は高くないけど、重要で、時間のかかるタスクをやりたいと思っているのにできない、なんて悩みの声があります。それができないのはなぜか? できるようにするには?
やりたいことをやる時間と、割り込まれる時間を見積もった1日のスケジュールを立てておく
エンジニアとして社内システム開発を行う傍ら、Webマーケティング、工場レイアウト、生産性向上などを担当し、それでも難関資格のひとつ、中小企業診断士試験に合格した筆者(中小企業診断士登録予定者)が、日々のスケジュール管理方法とその補助ツールについて説明します。
- やりたいことがあるのにできていない人
- 部下や同僚にも優れたスケジュール管理を伝えたい人
- テレワーク中や休日に、つい自堕落になってしまうけどちゃんとしたい人
- 副業や複業に時間を割り当てたい人
- 公私にメリハリをつけて豊かな人生を送りたい人
- テレワーク歴13年以上
- 中小企業診断士試験合格者(登録予定)
- 最近一番プレイしているゲームはフィットボクシング2
- 業務用の生産・在庫管理システムをFirebaseとJavascriptを使い、バックエンドからフロントエンドまで一人で開発
- 草月流いけばな師範
- ブログも書けている
ToDoリスト, カンバンは電子秘書の夢を見るか?
Todoリストやカンバンシステムは、今現在「やっていること」の管理が難しいという点と、スケジュール管理が難しいという点があります。とくに、カンバンシステムは非常に優秀なシステムではありますが、後工程引き取り式のJIT(ジャストインタイム)生産の中で生まれたために、ひとつの部門(一人)が複数工程を受け持つ場合に、作業時間を見積もりにくいという欠点を持っています。
カンバン方式では、一度手を出したものの終わらなかったタスクや細かな派生タスクが次々と現れて収集がつかなくなる。あるいはそもそもTo-Doリストやカンバンにタスクをまとめても、それぞれのタスクに関して、正確なスケジュールを立てられなくなる……という悩みが発生します。
これにどう対応するか? 先に結論を申し上げれば「ToDoだろうがカンバンだろうが、正確なスケジュールなんて立てられない」ということになります。
なぜというと
- カンバンにもToDoにも時間を管理する機能がない
- カンバンにもToDoにも現れない雑務が発生する
- 人は往々にしてタスクを短く見積もってしまう
「タスクを短く見積もりなんてない」と思うかもしれませんが、小学校のころの夏休みの宿題で、予定していたよりも早く宿題を終えられた人と、最終日まで宿題が残っていた人のどちらが多いか、ということを考えていただければ分かると思います。
ウィルフリッド・ローリエ大学の心理学教授ロジャー・ビューラーらによると、人間はあるタスクを完了するのに実際にかかる時間に対し、約40%もの時間、短く見積もるという実験結果を出しています。
これは、大学生の卒論に対して行われているので、「これまで経験したことがないタスク」であるということは考慮しておかなければなりません。
もちろん、本当だったらもっと早く終わっているはず、という場合もあります。それでも終わらない場合は、シンプルに宿題(仕事)に集中できていないということも大いにありえます。その場合は、集中するためのテクニックが役に立つでしょう。
しかし、いかに集中できたとしても、タスクの必要時間を短く見積もりすぎた結果として到底終わらない量のタスクを、一日のノルマとして設定してしまう危険は避けられません。
では、カンバンからタスクを引っ張り出し、それぞれの所要時間を正確に見積もって毎日のスケジュールを見積もれば、これらの問題は解決するでしょうか? 残念ながら、しません。なぜなら、
- 上司からの電話や突然の無茶振り
- 先輩社員から PC 操作の質問・押しつけ
- テレワークでは家族に頼まれごと
- トラブルや急な来客、電話
- 生産性のかけらもない回覧の要請
といった雑事によって私たちの時間は平気で使われてしまいます。
これら全てに対して対応するには、そう、「邪魔される時間も、やりたいことをやる時間も全て込みで、1日のスケジュールを見積もる」ことが大事です。また、勉強や運動などの自己投資の時間まで管理するのであれば、プライベートにおける様々な時間も管理する必要があります。
- 食事、食器を洗う
- 洗濯
- ゴミ出し
- 家族との時間
- ゲームやSNSもしたい
- 自己投資と言いつつYouTubeも見る
そうすると、やはりToDoリストやカンバンでは限界があるように思えます。どうしたらいいでしょうか?
タスクシュートとは
1日のタスクを直列で並べて、1つずつ時間を決めて処理していく「習慣」を形作るための計画と、記録のツールです。
つまり、ざっくり言ってしまうとシングルタスクに時間を決めて集中するポモドーロ・テクニックを、1日のスケジュール単位にまで拡張したものです。
もともと、Excel で作成されたツールとして、TaskChute, TaskChute2 とありますが、筆者は「TaskChute Cloud」を使っています。
また、もうひとつタスクシュートで大事なのが計画と記録のためのツールであるということです。
いわゆるToDo やカンバンでのタスク管理は、タスクを管理しますが、計画は行いません。一方でタスクシュートであれば1日のスケジュールを作成できるので、タスク管理で生じた問題を回避できます。もちろん、最初からできそうもないタスクの量を1日に詰め込んでしまうということはありません。
さらに、所要時間が正確に見積もれない問題ですが、タスクシュートの場合、タスクの開始時と終了時にタイマーを操作することが求められています。これにより、「実績」を蓄積することができ、繰り返しのタスクであれば所要時間がより正確に求められるようになる、という仕組みです(もっとも、ITエンジニアのように問題解決が仕事の場合、類似の仕事であっても実績があてにならない場合もあります)。
まとめると、
- 全てのタスクに見積もり時間を割り当てることで、1日の仕事の終了見込みが立てられる
- 見積もり時間があるため、パーキンソンの法則でだらだらとしづらい(ポモドーロ・テクニックなどと同様の効果)
- タスクの開始・終了時間を記録して実績を確認できる
- その結果、繰り返しタスクなどでは正確にタスクの所要時間を計測できる
- タスクの阻害要因などを記載することで、何に仕事が邪魔されているか、どの程度の時間邪魔されたのか可視化できる
- 1日のタスクを可視化することで、思考リソースを節約できる(ToDoリストと同等の効果)
といった、複数のテクニックを組み合わせ、さらに発展させた効果が期待できることがわかります。
TaskChute Cloudについて
TaskChute Cloud のイマイチな点
筆者がタスクシュートを知ったのはTask Chute Cloudからです。とはいえ、このツールは昨今のクラウドツールにしては珍しくフリープランというものがなく、そのせいかいまいち(それこそTrelloやTodoistなどと比較して)知名度が高くありません。
そして筆者も最初「これは素晴らしいツールだ、今までの悩みを全て解決してくれるはず」と意気込んでいきなり12ヶ月プランを申し込みましたが、1ヶ月そこそこで一度放置しました。
なぜかというとTask Chute Cloudはタスクシュートという時間管理術を、ブラウザ上で実現するために作られたツールであり、そもそもタスクシュートの概念を理解していなければ使いこなせないツールという点において、扱いが他のツール群と比べて難しいということが挙げられます。これも、TaskChute Cloudが他のツール群と比べて知名度が低い理由でしょう。
とにかく、TaskChute Cloudというか、タスクシュートという時間管理・スケジュール管理方法においてもっとも困るのが、「事前の理解が必要である」ということです。
また、クラウドツール故に、オフラインでは使用できないところが挙げられます。これはどうやらアプリを使用しても解決しないようで、どうしてもオンラインになれない状況が多い人は、他のツールを使う方がいいでしょう。
最後に、作者さんの自己アピールが非常に強いです。クセも強いです。どうも、現在は音楽家として活動されているらしく、そのアーティスティックな感性を前面に出しているため、面食らう方も多いと思います(ツール自体にそういった傾向はなく、使いやすいです)。
TaskChute Cloud のいい点
なによりも、クラウドのツールである、つまり実行環境をほぼ選ばないという点が優れています。
先述したように元々Excelマクロで構築されたTaskChute, TaskChute2というツールもありますが、2021年現在使用するなら(アプリは完成していないですが)TaskChute Cloud にすべきです。
なぜかというと、タスク管理ツールは往々にしてそうですが、肌身離さず持っていて(スマートフォンで操作できて)初めて意味をなすからです。
筆者は10年以上テレワークを続けていますが、出社したり、ちょっとした出張をすることもあります。そういった、自宅のデスクトップから離れたときに、タスクシュートでのタスク管理および時間管理ができないというのは苦痛でしかないです。なので、Web上で動作するというのは非常に大事なことです。
以前はアプリがなかったのですが、現在はiOS, Androidともにアプリもリリースされており、自分の状況に応じて使いたいツールでスケジュール管理ができるので便利です。
タスクシュートは難しい?
なれてしまうと難しくありません。が、うらを返すとなれるまで取っつきづらいです。
とりあえずタスクを全て書き出してしまえば気持ちが落ち着くToDoリストやカンバンでのタスク管理と一番違うところは、使うまでにタスクシュートで時間を管理するという方法に慣れることです。
また、TaskChute Cloudを使う上では標準の設定をそのまま使うのではなく、自分用に設定をするといいでしょう。
後で設定方法も記述しますが、標準の「セクション」はかなり細かく区切られているので、真っ先に自分用に変えてしまうといいと思います。
TaskChute Cloud でタスクシュートをはじめてみよう。
画面の解説
- タスク合計、消化済み、残りが表示されます。大きい数字が数で、小さい数字が時間です。
- 残りのタスクと現在時刻から終了予定時間を自動で算出します(お盆でサボっているのがバレバレでお恥ずかしい)。
- 現在、どのセクション(時間帯)かと、各セクションごとに割り当てられているタスクの合計時間です。1,2の数字と一致しないのは、セクションに割り当てていないタスクが多いからです。
- 日付を選択します。下のボタンはショートカットとして機能します。
- タスク一覧で、コンパクト表示と詳細表示を切り替えます。
- タスクの新規登録を行います。
- オンにすると完了したタスクをタスクリストで非表示にします。
- オンにしていると、過去のセクションから、現在のセクションに自動で未完了のタスクが移動するようになります。
オフ状態だと、過去のセクションから現在のセクションに、手動で未完了のタスクを移動するボタンが表示されます。 - 現在のタスクを中断し、新規タスクを作成し、即座に開始します。
- オンにすると通知が表示されなくなります。
- タスクリストです。ここに1日のタスク、セクションが表示されます(画面ではセクションに割り当てられていないタスクが表示されています)。
- タスクの開始ボタンです。これをクリックしてタスクを開始し、もう一度クリックすることでタスクを完了します。
タスクの新規登録
メイン画面の「タスク」タブの中に、「タスク名を入力」テキストボックスがあるので、ここにタスク名を入力し、Enterキーで新規登録ができます(または左側の+ボタン)。
また、Shift+Enterで改行ができるので、複数行入力するとまとめて複数のタスクを登録できます。入力欄が小さくやりづらい場合は、テキストボックス右下をドラッグすることで広げることができます。
a キー:タスクの新規追加欄に移動(add)
i キー:現在選択しているタスクの下に、新規タスクを追加(insert)
タスクの編集
TaskChute Cloudのタスクには、様々な追加情報を付加できます。基本的に、テキストボックス等に見えなくてもクリックで編集できます。
- 「プロジェクト」にタスクを割り当てます。
- タスクの名称です。
- タスク事態の種類を割り当てます。
- タスクの完了にかかる見積もり時間です。
- タスク実行にかかった時間です。開始時刻と完了時刻から自動で算出されます。
- タスクの開始時刻です。
- タスクの終了時刻です。
- その他のメニューです。「タスクの削除」「翌日や指定の日時に移動」「複製」などができます。
- タスクにメモが付けられます。
- タスクにリンクが付けられます。
- アラームを設定します。
- ルーチン化されているとブルーになります。また、ルーチン化されていない場合、クリックでルーチンを新規作成できます。
- タスクリスト上でハイライトします。
- タスク完了時に、評価を行えます。
- タスク完了時に、コメントを入力できます。
多いですね。なので、最初から使うべき機能を筆者が選びました! その他は、慣れて来たら手を出せばいいと思います。
- タスクの名前(2)
- 見積もり時間(4)
- 実績時間(5~7)
- 削除、翌日に移動(8)
- ルーチン(12)
もちろん、その他の機能も使うと便利ではあるのですが、タスクとスケジュール管理の本質からは少し外れているように思うからです。
やるべきことをまとめているのに、いちいち「これは~プロジェクトの単純作業だから……」などと認知リソースを消費するくらいなら、タスクリストにあるから、とりあえず見込み時間内にやる! でいいと思います。
- d:選択中のタスクの削除
- Shift + c:タスクの複製
タスクの実行と完了
各タスクの左側にある●アイコン(色はプロジェクトにより異なる)をクリックすると開始、もう一度クリックで完了となります。
他のタスクを実行中に別のタスクを開始すると、現在実行中のタスクを完了したことになりますが、タスク名に(中断)と表記されて区別されます。また、見積もり時間が、実績時間分マイナスされた元のタスク名に(中断→再開)と追加されたタスクが自動で作成されます。
これにより、予定変更やタスクが長引いて、MTGの時間になってしまった、といった場合に、残りの見積もり時間そのままにタスクを再開することができます。
通常タスクを開始すると、前回のタスクの終了時刻からスタートします。そのため、お手洗いから戻ってきて開始したら、すでに5分が経過していた、ということもありえます(お手洗いをタスクシュートに記録すべきか否か、という問題はさておき)。
すぐに気がついた場合は、開始時刻をクリックして、「現在時刻」を選択するといいでしょう。
または、ショートカットキーで対応してもいいでしょう。
なお、この機能が面倒だと思う場合は、設定から標準設定を「現在時刻」に切り替えることもできます。
また、タスクリストにない緊急の用事(電話の対応、急な来客など)でタスクを中断し、別のタスクの記録を開始しないといけない場合は、
「タスクの割り込み処理」ボタンをクリックして、現在のタスクの中断処理、新規タスクの作成~開始までの処理を一度に行ってしまいましょう。
タスクの完了とTIPS
タスクの完了や中断時には上記の様なタスク完了のダイアログが表示されます。特に操作せずに「タスク完了」でも問題ありません。評価くらいは、標準で記号が割り当てられているので、自分でよくできた場合に、◎などをつけておいていいかもしれません。
ただ、次々とタスクを完了させたいときに、わざわざ入力するのも少し面倒な場合があります。その場合は、
上図のようにお休みモードをオンにしておくと完了時に評価のポップアップが表示されなくなります。ただし、タスクの完了予定時刻も通知されなくなるので、使うかどうかは人によると思います。
- s:選択中のタスクを開始する。もう一度押すと、開始時刻を現在時刻に修正。
- u:実行中のタスクを非実行状態に戻す
- f:実行中のタスクを完了する。
- Shift+i:タスクを割り込み実行する。
TaskChute Cloudでルーチンを設定してみよう
最初、筆者がTaskChute Cloudを使いはじめて1ヶ月で挫折したのは、各タスクに入力できる要素の多さよりも、ルーチンを設定しなかったことの方が大きかったです。
ですので、他のタスク管理との大きな違いでもあるルーチンを、かならず最初から設定するようにしてください。
ルーチンの新規作成
ルーチンの新規作成は、基本的にタスクと同一です。
まずは、メインメニューから「ルーチン」を選択します。
- ルーチン名を入力して新規作成します。操作方法はタスクと同様ですが、まとめて登録する機能はないようです。
- 作成したルーチンの名前です。変更も可能です。同名でタスクが自動で追加されます。
- 開始時刻が決まっているルーチン(MTGなど)であれば、開始時間を入力します。
- 1回のタスクの完了にかかる見積もり時間です。タスクにもコピーされます。
- どのくらいの周期でルーチンを繰り返すかを設定します。
「周期」の設定
ルーチンをどのくらいの頻度で繰り返すか(タスクリストに追加するか)を決定します。
日ごと、週ごと、月ごと、年ごと
読んで字のごとくです。一番使う設定で、もちろん「毎日」ではなく「2日ごと、3日ごと」のような設定もできます。
平日、土日祝
これも読んで字のごとくですが、「週ごと」のように、1週間間隔の平日……といった設定はできません。毎週の平日、毎週の土日祝となります。
完了日ごと
タスクが完了してから何日後かに、新しくタスクを登録するようです。
ただ、中断の場合はどうなるのか、などいまいちこまかな仕様がはっきりしていないため、筆者は使っていません。
見積もり時間の設定
見積もり時間をクリックすると、直接分数を入力できる他、上記のようにドロップダウンメニューが
TaskChute Cloudでおすすめの使い方
タスク・スケジュール管理の基本
基本は、ルーチンでどうしてもやらなければいけないこと、自己投資などの継続的にやりたいことは先に登録しておくことです。
まずは先に決まり切った内容は全てルーチンで自動登録します。そして、たとえ数分で済む内容であったとしても、必ず見積もり時間を入力しておきます。
ルーチンに登録しておく理由ですが、「その日やるべきこと」がすべてTaskChute Cloud上に収まっていてはじめて、「やるべきことに悩まない」という認知リソースを無駄遣いしない状態が実現できます。たとえば、「本も読みたかったけど、SNSやってしまった……」という問題は、ちゃんと「本を読む」というタスクが一覧にあり、かつ、スケジュールされていることが大事です。
続いて、見積もり時間を入力する理由ですが、1日24時間はどう頑張っても変えられないために、その他の浮動的なタスクは、空いた時間に入れることになります。ただ、「タスク自体は一杯あるけど、時間が見積もられていない」と、ついつい人間は時間を短く見積もりがちでしたね(プランニングファラシー)。浮動的なタスクの時間を正確に見積もる効果はありませんが、少なくとも、日々の固定的なタスクについては、日数を重ねればかなり正確に見積もれるはずです。
それでも、どうしてもタスクが入りきらない場合は「昼休みをなくす」「休憩時間をなくす」「睡眠時間を削る」といった方法をとらざるを得ないですが、その場合はルーチン化されたタスクの量を見直し、アウトソースするなどの検討が必要でしょう。
その日やらないタスクの管理
その日やらないタスク(急な電話で依頼されたタスクなど)は、Trello, Wekan, ToDoリストなどに登録しておきましょう。
そして、1日のスケジュールを練る段階になったら、それらのタスク管理ツールからTaskChute Cloudにうつし、作業時間も見積もるといいでしょう。
1日のスケジュール・タスク入力を前日にやるか、朝一番にやるか
これは人による、と言えると思います。
1日の最初にやる場合ですが、まず作業興奮が利用できます。いわゆる、「やる気スイッチ」を入れるためのルーティーンとして、1日のはじめに、その日のスケジュールを計画する方式です。ただ、これをやると人間がもっとも創造的とされる起床直後の時間を無駄にする恐れがあります。
その他にもあなたがやるべき仕事リストが、自分だけでなく他人によっても入力される場合などは、こうするしかないでしょう(自分で優先度が決められないマイクロマネジメントな環境は、すぐに改善すべきだとは思いますが)。
一方で1日の最後に行う場合です。
筆者はこのパターンなのですが、基本的に業務の「終わり」に次の日の予定を入力するようにしています。なぜかというと、テレワークを長く続けている関係上、仕事を終えたつもりでも、ついついやりかけの仕事が気になって手をつけたり、手をつけないまでも考え事をしてしまったり……と、仕事とプライベートを上手く切り分けられないことがありました。
そこで、最後のしめとして、やりかけのことも全て「翌日に回す」とアウトプットすることで区切りをつけています。こうすることでプライベート時間も充実しますし、朝のもっとも創造的とされる時間も有効活用できます。
とはいえ、これはお好みでいいように思います。
ルーチンに入れるといいもの
- 次の日にやるタスクの入力
- 家事全般、定期的な買い物など
- 食事や睡眠、入浴といった衣食住の基本
- 運動、瞑想(マインドフルネス)、ストレッチなどの健康を維持するための活動
- 勉強などの自己投資
- 定期検診の予約
- PDS(CA)サイクルの振り返りフェーズ
- 日報、週報の作成といった本質的ではなく面倒なものの、やらないといけないこと
- ゴミの日(特に期間が長いもの)
- SNSなどの娯楽の時間
- メールチェックやメンションがないチャットの対応(これは時間まで設定しておくといいです)
- 電話対応などのスケジュールできないが、発生が予想されるタスク
- TaskChute Cloud自体のルーチンを見直すPDCAサイクル
カレンダーに入力する場合との違い(実例)
たとえばゴミの日などは、自治体から配られているカレンダーにも記載されています。それをわざわざルーチンに入れる手間をかけなければならないのでしょうか? しかも、2週間ごと、とかではなく、第何火曜日…などと設定されていることが多くルーチンを作るのが面倒だったります。
復習となってしまいますが、
- かかる時間をスケジュールに含められる
- TaskChute Cloudを見ていれば機械的に対応できて認知リソースを削減できる
- TaskChute Cloudの自動計算機能で見積もり時間が正確になっていく
といった利点があります。設定にかかる時間は必要になりますが、こういったマイクロタスクこそが我々から認知リソースを奪い、仕事の効率をさげ、時間を浪費させる原因だったりします。
ぜひ設定してみて下さい。
おわりに
大長編となりました、ここまで読んでいただいた方、お疲れ様です、ありがとうございます。
TaskChute Cloudの記事はずっと書きたかったのですが、あまりにもメリットが多く複合的な効果を持つツールである一方で、そのメリットを意識しないで使ってしまうと筆者のように1ヶ月で挫折してしまう、といったことになってしまいます。
本当は、WekanやTrelloをオープンリストとして使い、TaskChute Cloudをクローズリストとして使う、といった内容も盛り込みたかったのですが、ひとまず使い始めるにはこの記事だけで充分だと思います。
ToDoやカンバンでタスクを管理しているはずなのに、仕事が終わらない方、作業時間が見積もれなくて困っている方、ぜひ使ってみて下さい。