それでもマルチタスクをしなきゃ行けないなら、仮想デスクトップを使え

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「Windowsって実はこんなべんり!」という記事がどんどん出て来ており、「なーんだ仮想デスクトップなら知ってるよ」と思ったあなた、ちょっとブラウザバックはお待ちください。

やってますか? マルチタスク。

ちょっと検索すれば出てくる出てくる、人間がマルチタスクができないという研究結果やそれを元にした記事。

筆者も、マルチタスクは苦手です。苦手だから勘弁してくれ、というか、明確に「そういう指示の出し方は生産性が低下するからやめろ」と上司に言います(言いました)。

だからといって、それが改善されるかというと、それはまた違う話なんですが。大体、真にマルチタスクなのは量子コンピューターくらいで、PCだって高速で処理を切り替えてマルチタスクを実現しているにすぎない訳ですし。

しかし、「苦手なんだー、やらなくていいんだー」とは行かないのが労働です。どうにかこうにか、マルチタスクっぽく働けるように頑張りましょう。

仮想デスクトップ機能を使う

Windows 10には仮想デスクトップという機能があります。デスクトップというか、開いているウィンドウをまた別の箱に入れて切り替える、みたいなイメージでしょうか。

20年以上前から、Linuxのデスクトップにはこの手の機能があったように記憶していますが、近年になってようやくWindowsにも搭載されました。

冒頭に書いた通り、ウィンドウがぱっと出たり消えたりして面白いのでご存じの方も多いかと思います。

でも、使ってますか? これ。

実際のところ、なんだか凄そうなんだけどよく分からないから使ってないという人、多いんじゃないかと思います。

なぜか? だって、「機能は紹介してくれるけど、それが何の役に立つか、教えてもらえない」からです。

便利な道具も優れた知識も、活用できなければないのと一緒ですね

いや、説明している場合もありますけども、ピンと来ない場合が多いんですよね。ショートカットキーでウィンドウがどんどん切り替わる! って、それだけならAlt+Tabでいいですからね。

Windows10の仮想デスクトップの基本!

操作方法は十分知っている! という方は、この節は飛ばしちゃって大丈夫です。

仮想デスクトップ利用の流れ

Windowsを起動した状態では、デスクトップがひとつだけ、作られている状態です。通常は、その中でいろいろなウィンドウを開いて、切り替えたり終了したりしながら仕事を進めています。

仮想デスクトップを起動した場合は、新しく起動した仮想デスクトップの中で、改めてアプリケーションを起動してそこで作業をする、ということになります。

お分かりかと思いますが、

  1. 1仮想デスクトップにアプリ1つとか
  2. どの仮想デスクトップに何のウィンドウを開いたか忘れて、多重起動し過ぎてしまうとか

手放しで便利だよ! というには使い方を考える必要がありますねというものになります。

汎用ショートカットキーは Win+Tab

Vistaとか、8の頃とかに、なんだか3Dっぽくてかっこいい! でも重くて使えない! 下手するとブルースクリーンが出て再起動を余儀なくされる。そんな記憶から、2度と使われないショートカット筆頭Win + Tabです。しかし、実はこれ、Windows10では仮想デスクトップの追加・選択・削除にも使える便利なものに変わりました。

更に、作業のタイムライン(ウィンドウ状態の記録)まで表示されるので、非常に汎用的な「最近使ったファイル」「最近行った作業」「最近見ていたWebページ」のように使用できます(その代わり、初回起動がちょっと重たいのは珠にキズです)。

仮想デスクトップをまだ使用していない場合は、左上の「新しいデスクトップ」をクリックすれば新しい仮想デスクトップが追加されます。

仮想デスクトップがすでに使われている場合は、

このように開いた仮想デスクトップがディスプレイの上の方に並び、クリックで切り替え、「×」ボタンクリックでその仮想デスクトップを削除することができます。

仮想デスクトップで何が開いているかを視覚的に確認できますし、面倒な場合は仮想デスクトップの管理はこれだけで十分です。

個別のショートカットキー

個別の操作については一気にいきましょう。

  1. 新しい仮想デスクトップの作成: Win + Ctrl + D(DesktopのD)
  2. 仮想デスクトップを閉じる: Win + Ctrl + F4(Alt+F4のF4)
  3. 仮想デスクトップを送り順で切り替え: Win + Ctrl + →
  4. 仮想デスクトップを戻り順で切り替え: Win + Ctrl + ←

基本的に、Win + Ctrl + 何らかのキーなので、覚えやすいです。

もしまだ覚えていなかったら、

  1. ウィンドウを全て最小化する: Win + D (Desktopを表示する)
  2. ウィンドウを閉じる:Alt + F4

も覚えておくといいでしょう。

仮想デスクトップでマルチタスクを実現するには?

ある日の筆者の一例

  1. コミュニケーションツール(Slack, Teams, メール)とメモ(Notion)、タスク管理ツールを起動する
  2. 新しくデスクトップを作成する
  3. メインのお仕事用ツール(Vimとか、Photoshopとか、バージョン管理ツールとか)を起動する。調べ物用にブラウザも起動しておく
  4. 新しくデスクトップを作成する
  5. 診断士(コンサルティング)のお仕事用ツール(WordやExcelなど)を起動する。調べ物用にブラウザも起動しておく
  6. 新しくデスクトップを作成する
  7. YouTubeなどのサボり用(笑)を起動する
  8. メインの仕事用デスクトップに移動して作業を開始する

サボり用を先に起動しておくのは、サボりたくなったときに、メインのデスクトップを汚染させないためなので意外に重要です。

重要なのは、「仕事の種類ごとにまとめる」「最初に想定される仕事のデスクトップは作っておく」「コミュニケーションとサボり用デスクトップは必ず作る」ことです。

実際、マルチタスクで厄介なのは?

マルチタスクで最も厄介なのは、他人(同僚や上司、顧客・アウトソーシー)からの連絡です。ひとつのタスクに集中しているところに、連絡が来て集中力を乱されるというところが、マルチタスクの生産性を低下させる原因です。PCでいうところの割り込み要求です。もちろん、集中モードなどを利用して対応を後回しにする手段もありますが、いつもいつもそれが許される訳ではないですよね。

そこで、連絡対応用のデスクトップを先に用意しておき、メモもすぐにとれるように準備しておきます。これで、素早く連絡に対応しつつ、メモの方法を探したり新しくアプリを起動したり……といった手間がなくなります。

もっといいのが、確認を必要とする資料を送りつけられたときです。こうなると必然的に、何らかのアプリケーション(現代では、大体はブラウザでのプレビューやチャットツール内になると思いますが)を開かなければならない事態になります。後で詳細を確認しなければいけない時は、開きっぱなしになります。

ここで登場するのが、マルチタスクにおけるもう一つの弊害である「余計なものが視界に入る」現象です。

連絡が来て、対応するだけなら、多少集中力を乱されますが、元の作業に戻れないほどではないでしょう。

ただ、「開きっぱなしの資料」が目に入ってきた場合は話が別です。作業に戻るか、いや先に資料を処理してしまうか……といった逡巡が発生した時点で我々人類の敗北です。

余計なものを全部入れておくデスクトップこそ重要

しかし、その開かれた資料が連絡用のデスクトップに隔離(あえて隔離と言います)されていた場合は、他の集中を要する作業をしている際に、目に入ることも、Alt+Tabの邪魔になることもありません。

「後で処理しなきゃな~」と思いながら、部屋の隅にぽいっと捨てられた紙束のように、すぐに意識から消えてしまいます。

不意に意識に上ることがあっても、それは他の連絡を処理しているときですし、なんなら、退屈極まるテレカンの最中に思い出してぱらぱら眺めることだって出来ちゃいます。

サボり用デスクトップも同様で、「サボりと言いつつなんとなく他の仕事の調べ物をしてしまう」こともあります。そういうときに、備忘録的に開いておくためのデスクトップも必要です。

実際にサボりではなく、休憩時間にそういった、細かな自己啓発を行っている人も多いでしょうし。

結局のところシングルタスクでは?

人間もPCも、基本的にはひとつのことを切り替えて擬似的にマルチタスクを実現しているにすぎない、という立場に立てば、YesでもありNoでもあります。

PCはマルチコア、マルチCPUやGPGPUなどもあって本当のマルチタスク(マルチプロセス)を実現できていますが、人間はどう頑張っても2つの目で1つの映像を処理しますし、脳も同様です。

であれば、タスクの切り替えにかかる負荷を可能な限り小さくして、タスクの切り替えをスムーズに行うのが、本当はできないマルチタスクをなんとか実現しているように見せるための方法です。

仮想デスクトップは、それ専用だと思って使用するのが一番、便利かなぁと思います。

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