Nextcloud のメールは RainLoop を使おう

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前回の記事で、Nextcloud Hub についてくるメールがちょっと使えないな……という話をしました。

しかし、同時に、 Nextcloud のメールがちゃんと動いて添付ファイルを直接クラウドに保存できるとメリットがあるというお話もしました。ということで、今回は「ちゃんと動く」 Web メーラー「RainLoop」を Nextcloud のアプリとして動作させてみます。

Nextcloud 内でメールが動くと便利な理由

  • 一元管理が簡単
  • ブラウザのタブをやたらめったに開く必要がなくなる
  • 添付ファイルを直接クラウドに保存できる
    • シンクライアントで運用しやすくなる
    • (コピーの数が減るので)データ流出のリスクが低下する

RainLoop とは?

RainLoop は PHP で作られた、 IMAP でメール取得を行う オープンソースの Web メーラーです。特徴は、管理ユーザー以外に独自ユーザーを持たず、ユーザーが自分でメールのログイン名とパスワードを入力してログインするのが特徴です。

モダンで比較的動作も軽量で、特別な中間ソフト・パッケージに依存していないので、レンタルサーバーでも動作させられます。そのため、レンタルサーバーに入れておいて、普段使っているメーラーでトラブルが発生した際にとりあえず IMAP で接続してみる……といった使い方もできます(たまにやります)。サーバーのリソースを悪用されないように、接続できるメールサーバーをドメイン単位で指定することが可能。

UI は 3ペインの Gmail 風のレイアウトです。標準でも複数テーマがインストールされており、日本語表示も問題なく、視認性も優れていてストレスなく使えるメーラーです。

Nextcloud 上でも、アプリとして動作するので今回はその形式で動作させます。

Nextcloud 上での RainLoop

  • 一元管理と言い辛い部分もある
    • RainLoop の管理アカウントと Nextcloud の管理アカウントは別に管理する必要がある
    • Nextcloud のユーザーとメールサーバーのユーザーが別の場合、ユーザーにメールアドレス・パスワードを入力させる必要がある
    • ユーザーごとに RainLoop への自動ログイン設定がある
  • Nextcloud のアプリアイコンから簡単にアクセスできる
  • Sieve が利用できる(beta)
  • メールリンクの関連付けもできる
  • 添付ファイルを Nextcloud に直接保存できる
  • Gmail などよりはレスポンスはよくないが、 Nextcloud 標準のメールよりは軽量(サーバースペックによる)

といった感じで、個人で扱うメーラーとしては充分な機能となっています。さすがに、複数人での対応を行う会社の窓口・カスタマーサポートのような業務には向いていませんが、そういったコミュニケーションは Zendesk のような専用ツールを使う場合がほとんどだと思うので、問題ないでしょう。

Nextcloud へのインストール

管理ユーザーで「アプリ」から、「RainLoop」を検索し、「インストールして有効化」でインストールできます。サーバー側に追加インストール等は特に必要ありません。

標準インストールされているメールが塗りつぶされた封筒アイコンなのに対し、 RainLoop は破線が使われた封筒アイコンです。紛らわしい場合は標準のメールアプリは先にアンインストールしてしまっていいでしょう。

RainLoop の初期設定

Nextcloud 内の RainLoop を使い始める前に、最低限の設定を行いましょう。

管理画面へのアクセスと管理パスワードの設定

Nextcloud の管理ユーザーで、「管理」メニューにアクセスします。さらに、左メニューの一番下(管理セクションの中)に追加設定という項目があるので、それをクリックします。

ユーザー個別設定

ユーザー設定内にも追加設定がありますが、これは自動ログイン用のメールアドレス・パスワードを設定する箇所となっていますので、混乱しないようにしましょう。

右側から、「RainLoop Web メールの管理画面を開く」リンクをクリックして RainLoop 専用の管理画面を開きます。

なお、このリンクの下にある 3つの選択肢ですが、下2つは Nextcloud のパスワードとメールサーバーのパスワードが一致していることが前提なので、楽介としては利用を推奨しません。サービス毎にパスワードは分けるようにした方が安全でしょう。もちろん、何か特別な理由がある・管理体制上一元管理が行われていてパスワードの流出対策も取られている場合などは活用するといいと思います(そういう方はここを見ないと思いますが!)。

RainLoop の管理画面では、 Login と Password を求められます。初期のログイン名とパスワードは「admin」「12345」です。 Nextcloud の管理ユーザーのユーザー名/パスワードとは別なので注意します。

RainLoop 管理画面が開いたら、初期では全て「英語」になっているので、まずは日本語にします。

  1. 赤枠内が両方とも「English」となっているので、日本語に変更します。変更すると、特別保存しなくても設定が適用されます。
  2. 画面が日本語になったら、パスワードの「変更」リンクをクリックして、管理者パスワードを変更します。

管理画面へのアクセス情報更新ページが開くので、

  1. 初期パスワードの 12345 を入力
  2. 新しい管理者のログイン名を入力(admin のままでよければ admin)
  3. 新しいパスワードを2回入力。管理ユーザーとは分けることを推奨。特に、 Nextcloud の管理ユーザーが複数いる場合などは、 RainLoop の管理アカウントを使い回すことになるので、必ず分けるようにしましょう。
  4. パスワード更新 ボタンを忘れずにクリック

ドメインとメールサーバーの設定

続いて、ユーザーにアクセスを許可するドメインと、メールサーバーの基本的な情報の設定を行います。 Nextcloud 標準のメールアプリでは、ユーザーが自由にメールアドレス、メールサーバーの追加ができましたが、 RainLoop では RainLoop からアクセスできるメールサーバーをドメイン単位で制限することができます。

  1. RainLoop 管理画面の左メニューから、ドメインを選択します
  2. gmail や outlook など、代表的なドメイン、メールサーバーは標準で設定情報が追加されています。
    ただし、そのままでは利用できないようになっているので、チェックボックスにチェックをつけます。
  3. 自社サーバー・レンタルサーバーなど独自ドメインのメールアドレスにアクセスする必要がある場合は、「ドメインを追加」ボタンをクリックします。
    ドメインの追加画面では、ISP, レンタルサーバーやメールサーバーの管理者から提供された情報を入力します。

ドメインの設定まで行えば、 RainLoop を各ユーザーが使用する準備は完了です。 Nextcloud の Web アプリケーション画面に戻りましょう。

各ユーザーのログイン

RainLoop へのアクセスは、 Nextcloud 上部のアプリアイコンから行います。

キャプションは標準アプリと一緒ですが、アイコンは異なりますね。

ログインは、メールアドレス(ドメインつき)とそのメールアドレスのパスワードで行います(Gmail の場合はAPI ログインができないのでアプリパスワード)。

ログインボタンなどはないので、パスワードを入力したら、 Enter キーなどでログインしましょう。ログイン情報とサーバー・ドメイン設定が間違っていなければログインできます。楽介の Gmail アカウントには数万件のメールが溜まっていますが(全くよくない状態ですが……)、読み込みに時間がかかることもなくスムーズにログインできました。この辺りの動作は標準アプリの数倍~数十倍くらいのパフォーマンスがあると思います。

基本的な使い方は3ペインのメーラーと一緒なので、特別説明は必要ないと思います。メールの受信だけでなく、送信などもテストして動作することを確認します。

添付ファイルを Nextcloud に保存

添付ファイルは、一番右のパネルのヘッダー情報と一緒に表示されます。

ここで、添付ファイルをただクリックしてしまうと、ローカルの PC に保存されてしまいます。目立たないですが、右下の歯車ボタンをクリックします。

すると、以下のようにオプションが表示されます。

ここで、「クラウドに保存する」リンクをクリックすると、特別メッセージなどは出ませんが、 Nextcloud フォルダのルートに「Attachment」というフォルダが作成され、そこに自動的に保存されます。

こういった「レポート」や「領収書」、「請求書」なんかはまさに、メーラーの中だけに放置してはいけないファイルなので、出先の回線でも Nextcloud のストレージにストレスなくファイルを保存できるのは非常にありがたいですね。

出来れば、タグやコメントなどでどのメールに添付されていた、とか、送信元のメールアドレスとかのメタ情報が含まれていると尚ありがたかったのですが……。

ともあれ、 Nextcloud のストレージに Web メーラーから直接(PCやスマホを介さずに)ファイルを転送できることが分かりました。

RainLoop 自体も好みもありますが、なかなか使いやすい Web メーラーなのでオールインワンのグループウェアとしては商用ソフト並と言えるのではないでしょうか。

終わりに

楽介は、返信の際に、 CC や複数の To: などが結構気になるタチです。そうすると、今の Gmail の省略されたヘッダー情報は、少し物足りないというか、情報量が少なすぎると感じています(設計思想としては余計な情報をユーザーに与えない、というタイプなのでしょうが。)。そうすると、 RainLoop の UI はほどいいなーと感じます。

とはいえ、メールがサーバーに直接保存されるわけではなく、ましてや Raspberry Pi で動作させているので、レスポンスはさすがに Gmail には敵いません(当たり前ですね)。

メーラーとしてはそういう感じなので、既に Gmail を使っている場合(業務などで許可されている場合)はそこまで移行に強い欲求はないかもしれません。

ただ、顧客情報などの関係で Gmail などの外部サーバーの利用ができない職場であれば、オンプレミスの Web メーラーの需要はあるでしょう。特に、 VPN 接続時に限定していれば、セキュリティ上は管理しやすいでしょう。

そういったときにスタンドアロンで RainLoop を導入するよりは Nextcloud のアプリとして導入、ストレージと連携させることで、例として挙げたレポートや請求書/領収書などの管理に寄与することは間違いないでしょう(まあ、レポートはともかく、請求書や領収書については、あの法律も関わってくるのですが……)。

また、デッキ(Deck)アプリを使えば、ファイルにタスクを関連付けることも可能なので、ファイルを保存する「その先」についても効率的な環境を構築できるかなーと感じます。楽介が独立して中小企業診断士事務所でも開設するとしたら、結構候補にあがるかもしれません。

以上、楽介でした。

 

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