無料 RPA のPMCでキーボード操作・文字列送信を行う

FacebooktwitterredditpinterestlinkedinmailFacebooktwitterredditpinterestlinkedinmail

古くからある、無料 RPA (マクロ)ツールのPulover’s Macro Creatorについて基礎から解説する第2回です。

【無料 RPA 】Pulover’s Macro Creator v5.4の使い方を解説2 キーボード・文字列 基本編

今回は、前回から引き続きキーボード操作を行って行きたいと思います。とはいえ、前回は記録したマクロにディレイを追加するだけでしたが、今回は記録ではなく自分でアクションを選択して、 RPA シナリオに組み込んでいきたいと思います。

関連記事

本連載の他の記事や、Pulover’s Macro Creator のまとめは以下のページにあります。

【無料RPA】Pulover’s Macro Creator まとめ【ゲームマクロ】

なぜ RPA でキーボード・文字列入力からスタートするのか?

普段、マウスを多用して仕事をしている方も多いと思います。最近では、生産性の高い仕事のためにショートカットキーを覚えよう! という動きも多いようですが、実際のところまだまだ、簡単なCtrl + s, Ctrl + c, Ctrl + v, Ctrl + x …くらいという方も多いと思います(生産性の高い仕事って結局なんだ? ということに興味がある方はこの記事がおすすめです)。

人間が操作する場合は、ショートカットの方が素早く動きますが、 RPA の場合はどうでしょうか。前回みた通り、人間には不可能な速さで入力を行えるために、マウス操作でもいいような気がします。

しかし、実際には RPA でもキーボードで操作できる部分はキーボード操作を行わせた方がいいです。理由は、

  1. ステップ数(操作の数)自体が少なくてすむ
  2. 安定しやすい

という2点が挙げられます。

ステップ数が少ないとは?

たとえば、テキストファイルを全て選択してコピーするとしましょう。これをキーボードで行うと、

  1. Ctrl + A を押す
  2. Ctrl + C を押す

の2工程を作れば十分です。しかし、マウスで操作するとなると

  1. 編集メニューや選択メニューをクリックする
  2. 全選択をクリックする
  3. 編集メニューをクリックする
  4. コピーをクリックする

と2倍の工程を踏むことになります。実際には、メニューをクリックした後に、若干ディレイを入れる処理も必要でしょう。

安定しやすいとは?

Windows上では、それぞれのアプリケーションは自由に配置できます。あるときは全画面で、またあるときは小さくして並べて使用したりできます。

人間は、その状況を正確に目で見て認識できますが、 RPA 単体ではそこまでの高機能に至っていません(AIを組み込むとしても、コスト面で不利でしょう)。そこで、

  • 画像認識でクリックしたいものを探す
  • ウィンドウサイズを記録時の通りに変更する

といった処置が必要になります。しかし、画像認識はマクロ、 RPA シナリオ作成時にそれなりに手間ですし、性質上100%の動作保証が難しいことがあります。

ウィンドウサイズの変更については、全自動 RPA であれば問題にはなりにくいですが、人間の操作をアシストするタイプの半自動 RPA やショートカットキーの拡張といった使用方法の場合、不便さを感じることでしょう。

 

以上のような理由で、 RPA のシナリオを組む際にもできるかぎりショートカットキーを使用した方が、望む結果を素早く得られやすいため、キーボード・文字列の解説からスタートします。

前回の電卓マクロの改修

【無料 RPA 】Pulover’s Macro Creator v5.4の使い方を解説 1 で作成したpmcファイルは残っているでしょうか? 残っていなければ、前回の記事に戻って作り直してみてくださいね(一度、体験していれば5分もかかりません)。

今回は、「calc」と入力する部分を色々と変えていきたいと思います。

まとめて文字を送信する

前回は、calcの文字入力が、それぞれ別のアクションとして記録されていました。

記録の場合はそれでもいいですが、1つ1つ自分でアクションを入力していくときに、「cを押して、aを押して、lを押して……」と設定して行きたくはないですよね? できれば、「calcと入力。終わったら少し待ってEnter!」と処理したいところです。

文字入力の基本として、まずはそれをやっていきましょう。

下準備

まずは、前回作成した RPA シナリオから、calcと入力する部分を削除します。

(遅延は各自異なっていると思いますが)この中で、アクションが c, a, l, c, となっている部分を選択して、Deleteキーで削除します。さらに、Enter アクションの一番左にあるチェックボックス(インデックスの列)を外します。

上図のようになっていれば大丈夫です。チェックボックスを外すと、その部分のアクションが実行されずにスキップされます。Enterが押されてしまうと、ちゃんと文字が入力されているか確認する前にスタートメニューが閉じてしまうからです。

Send コマンドと SendRaw コマンド

テキスト送信の基本中の基本となるSend コマンドと、SendRaw コマンドを使って、文字列 を送信する RPA シナリオを作ってみましょう。

SendRaw コマンドの実験

  1. さきほどチェックを外したEnter アクションを、アクション一覧が記載されたパネルから選択します。
  2. F3キーを押します。
  3. 「テキスト」ダイアログが表示されるので、内容を設定していきます。

    1. テキストエディットに「+calc」(大文字小文字を正確に、+も忘れずに)
    2. 送信モードを「テキスト形式(RAW)」に
    3. 「コントロール」のチェックを外す
    4. 「遅らせる」の部分は、Enterのチェックボックスを外しているので、入れなくても構いません。
  4. OK を押して閉じます。
  5. 今設定した内容が追加されていることを確認します。