皆さんこんにちは、楽して働きたい人です。
前回はWekanとカンバン方式の簡単な説明をしましたが、今回は手元のVMWare上にUbuntu16.04 LTS(サーバー)をインストールし、そこに自動インストールスクリプトを使ってWekanをインストールします。
何故自動インストールスクリプトかというと、前回もご説明しましたが、Wekanが動作するサーバーソフトのnode.jsのバージョンと、そのnode.js用のパッケージマネージャーnpmのバージョンがあわないからです。強引にインストールすることになるので、サーバー管理の専門家がやるならともかく、普通よりは詳しいけど……というようなタイプの人間がやるには荷が重くなってしまいます(実際すごく大変でした)。
であればDockerでもいいのですが、今回は他に社内Wikiもインストールしようと思っていたので、Ubuntuに直接インストールしました。
なお、Ubuntuのインストールについては注意点をいくつか述べる程度で、この記事では詳細には触れません。
Ubuntuのインストール
VMwareのインストールについては過去記事を参照してください。
まず、インストールするUbuntuですが、日本語Remixはデスクトップ環境となるので本家よりUbuntu ServerのISOをダウンロードしてきてインストールします。
VMWare上にインストールする際の注意点としては、仮想マシンを作成する際にインストールするISOを指定しないで、「後でOSをインストールする」を選択することです。
英語キーボードを利用していれば問題はないのですが、日本語キーボードを利用している場合、自動インストールを利用してしまうとキーボードレイアウトが英語版になってしまい、後で設定しなおすことになります。
また、インストーラーが日本語でインストール出来る旨を通知してきますが、言語は英語のまま進めます(En/US)。
何故かというと、日本語でインストールするとメッセージなどが日本語化されるのですが、SSHなどを経由せずに直接コンソールを触るとフォントが日本語対応でないために、文字化けしてしまう……という憂き目に遭います。
また、インストールオプションがありますが、System Coreだけで構いません。
これらの点に注意してインストールしたら、続いていよいよWekanのインストールに入ります。
Wekanのインストール
Wekanは2017/02/28現在、0.10.1が最新安定版となっていますが、すでにリリース候補の新しいバージョンも出ています。それらの新しいバージョンを試したい場合には、残念ながら手動でソースコードからインストールするしかありません。
インストールスクリプトのダウンロード
インストールスクリプトはGitHubで公開されています。
wget https://raw.githubusercontent.com/wekan/wekan-autoinstall/master/autoinstall_wekan.sh
のようにして適当にダウンロードしてきます。
また、
chmod +x ./autoinstall_wekan.sh
として実行権限も付与しておきましょう。
インストール前の設定
そのままインストールスクリプトを走らせても機能を試すことはできますが、メールなどは設定しないと使えません。また、mongodbなどの設定も行いたい場合は、インストールスクリプトをいじることで事前に設定が可能です。
autoinstall_wekan.shの90行目付近に、
export PATH=$PATH:$NODE_PATH:/sbin:/bin:/usr/sbin:/usr/bin:/usr/local/sbin:/usr/local/bin
export MONGO_URL="mongodb://127.0.0.1:27017/wekan"
export ROOT_URL="http://127.0.0.1"
export PORT="8080"
export MAIL_URL='smtp://user:pass@mailserver.examples.com:25/'
といった記述がありますので、必要に応じて内容を変えてください。
MAIL_URLの内容が少し分かりづらいですが、例えばwekan@mailserver.examples.comというメールアドレスがあり、パスワードが1234だった場合、
export MAIL_URL='smtp://wekan:1234@mailserver.examples.com:25/'
といった記載になります。また、SMTPポートは通常25ですが、イントラネット内に設置する場合、ISPのSPAM対策で25番ポートへの直接アクセスが禁止されていることが多くあります。
その場合、多くはポート587を使用しますので、
export MAIL_URL='smtp://wekan:1234@mailserver.examples.com:587/'
となります。
インストール
準備が出来たら、
sudo su -
cd /home/wekan_installer_directory/
./autoinstall_wekan.sh
のようにしてインストールスクリプトを起動します。suではなく、一度rootになっているのは、そのようにしろとの指示があるからです。また、rootになっているのでカレントディレクトリが/rootに移動する点も気をつけてください。
特に問題なければ、最後に1. Wekanを起動する 2. Systemを再起動する 3. 何もしないが表示されます。初回は1. のWekanを起動するで通常は問題ありません。
設定の変更
インストール後の設定の変更ですが、Wekanの設定は起動スクリプトに直接記載されていますので、
vi /etc/init.d/wekan
などのようにして、直接起動スクリプトを変更してください(autoinstall_wekan.shと同様、export文で設定が書かれています)。
設定を変更したら、
update-rc.d -f wekan remove && update-rc.d wekan defaults
として、起動スクリプトを更新します。また、autoinstallerの配布元の記述によると、設定変更の場合はシステム全体を再起動することが推奨されていますので、他サービスや利用者に配慮しつつ、システムを再起動します。
最後に
いかがだったでしょうか? 自動インストールスクリプトとはいえ、やはりWindowsなどのGUIでのインストールと比べると設定が面倒です。
ただ、実際に手動インストールを行うと更に様々なパッケージのインストールなどが必要になりますので、手間としては1/10以下です。もちろん、Dockerの方が便利ですが、Windows OS上では通常ライセンスの問題で社内向けでも安定したサービスの提供は難しいですし、実際に運用となったときにハードウェアの資源の問題も発生します。
そういった場合にVMWareなどの仮想環境を使う使わないにしろ、OSからインストール出来る状態にしておくと後々が少し安心です。
それでは次回はWekanを実際に触って見たいと思います。
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