RPA を学ぶ理由をドラッカーのマネジメントから考える

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RPA なんてシステム会社に依頼して作ってもらった方がいい、新しいことを学習するなんてうんざり! Excel の新しい関数を覚えるのだって無理なのに! なんて思っていませんか?

今回は、経営コンサルの国家資格、中小企業診断士である楽介がドラッカーのマネジメントに書かれている視点から、「何故、 RPA を内製、しかもプログラマーでもシステム管理部門でもない人が学ぶべきか」を解説します。

「いや、僕は経営層どころか中間管理職でもないし」という人でも大丈夫。ちゃんと働いている皆さんが如何に楽に、収入を下げずに定時で帰れるか。そんな風な視点で解説します。

当たり前のこととして

プログラミングや RPA を学習することで、「転職活動ができる!」「万一職を失っても再就職がしやすい!」という利点が RPA, プログラミングにはあります。そういう人材の必要性に気づいている慧眼をもった経営者は多いですからね。

ただ、そんなことは他所でも散々言われていることですし、今回はあくまでもドラッカーのマネジメント的視点で考えたいと思います。

 

そもそもドラッカーって誰!?

経営の神様と呼ばれる、故ピーター・ファーディナント・ドラッカーは現代経営学、あるいはマネジメントの発明者です。

日本だと、何年か前に流行しました。「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という岩崎夏海先生の小説(今で言うラノベ)とそのアニメ化が流行にかなり大きな影響を与えたと言われています。と言いつつ、楽介はこの作品に触れたことがないのですが……。

日本では、このマネジメントという言葉が、なんだか「管理」みたいな意味合いに取られたり(マネジャーを管理職とか言いますよね)、フレデリック・テイラーの科学的管理法とごっちゃになっていいイメージに取られなかったりします。楽介も経営コンサルの方向に足を突っ込むまでは、割とそうでした(後経営コンサルも割とうさんくさいと思われがちですが、みんながみんなそうではないんですよ)。

ただ、このドラッカーは「人を幸福とすること」を目標としていると自認していて、マネジメントにおいてもその理念が端々に見られ、労働は社会と人間をつなぐ絆でもあり、労働がなくなった未来は人格の危機が訪れるとも考えていました。というか、マネジメントには企業経営だけでなく、社会的な役割を担う公的機関についても触れられています。

とにかく、現代の社会に影響を与えた凄い学者さんだった、ということです。

 

ドラッカーの主張した生産性

労働生産性というのは、会計的な(数値的な)定義でいうと、アウトプット÷インプットとなります。

ここでいうアウトプットとは、今日では一般的に「付加価値額」と言われます。付加価値額というのは、企業や人の手元でなんやかんやとやって、値段が上がった分を付加価値がついたということで付加価値額と言います。

インプットは付加価値を作るために投入した資源の量となります。一般的に使われるのは、「労働者の人数」または「労働者の人数×就労時間」です。もう少し要素の数を上げて、「全要素生産性」という、インプットに労働・原材料・資本を合成したものをもってくる、経営の基本要素である「ヒト・モノ・カネ」全部で考える生産性の考え方もあります。ただ、これは実際にはきちんと合成・合計するのが難しいので余り使われません。

一方でドラッカーの主張するところによると、生産性に影響を与える要因として、

  1. 知識
  2. 時間
  3. 製品の組み合わせ
  4. プロセスの組み合わせ
  5. 自らの強み
  6. 組織構造の適切さ

という、数字にしようとはちょっと考えたくないような要因を挙げています。

ただ、実際に現場で働く私たちからすると「その通りだよな」と思うような内容でもあります。特に、組織構造の適切さなんかは非常に重要なのですが、手を入れられないどころか、改善の要素にも挙げられない不動のものとされることも多いように思います。

で、これに RPA がどう関わってくるの? と言われると特に強い要素としては1, 2と言えます。当然、 RPA, ITに通じるという知識は発展的で生産性を高めてくれます。そして、時間は一番 RPA の生産性向上で語られる部分ですね。創造的な人間である皆さんの有限な時間をより効果的に使うためのツールとなります。

この2点から発展して、4と5、つまり RPA によりプロセスのパワーバランスが変わりより最適な組み合わせが出現。企業にとっての「自らの強み」に注力できるようになります。もちろん、 RPA の構築を経て新たな強みを開拓できる可能性も十分にありますね。

 

仕事と労働を分けて考える

ドラッカーの説くところによれば、仕事と労働は別。

仕事は客観的な存