アプリのできは、微妙?
アプリを起動すると、ログインかユーザー登録を求められてきます。早く使いたいのと、イヤフォンを使うだけなのにわざわざ登録しなきゃいけないのかというがっかり感があり、微妙なラインです。
これで、ノイズキャンセリングやイコライザーの好みなどを機械学習や深層学習(AI)でパーソナライズしてくれるというなら納得できますが、たぶんそういう内容ではないと思うので、できればスキップさせてほしかったなと思います。
シリーズを選択し、さらに製品を選んでいきます。選択した製品のセッティング(イヤーチップやイヤーウィングの取付の説明)やBluetooth の説明などが表示されますが、大体すんでいると思うのでさっさとスキップしましょう。
製品をいちど選択すると、アプリが記憶してくれるのでこの選択は一度か、たまにで大丈夫だと思います。
ただし、アプリの起動だけではなく、アプリが接続されているデバイスを認識するための時間がかかりますので、設定変更は思ったより手間がかかります。Pixel 5aでアプリを起動してからメニューが表示されるまで5秒ほどでしょうか。
信号が混み合っている場所などでは、もう少し時間がかかるかもしれません。電車で降りる駅になってから、慌てて風切り音の低減の設定をする、という場合にはちょっとストレスを感じる遅さですね。外音取り込みとノイズキャンセリングの切り替えは、イヤフォン本体の操作でなんとかしましょう。
また、初回はファームウェアの更新を促されると思いますので、更新しましょう。
画面の指示通り、イヤフォン充電ケースに入れてインストールを行います。
ただ、ここで注意点があり、充電ケースのtype-cコネクタにはケーブルを繋がない方が無難です。筆者は、ついでだから充電しようと思い接続されたところ、ファームウェアのアップデートでエラーが出てしまいました(ケースを閉じたか、イヤフォンを出した扱い)。
ファームウェアのアップデートの失敗はいろいろ面倒が起こりがちですが、筆者の場合はBluetoothの再ペアリングと、接続機器の再選択ですみました。十分面倒ではありますが、機器によっては起動しなくなったりもするケースなので、充電ケースを十分充電し、ケーブル類は繋がないようにしましょう。
アプリのメインメニューはこのようになっています。イヤフォンだけでなく、充電ケースの充電状況が分かるのは充電をさぼりがちな人にはありがたいですね。LDACモードは電池の減りが早いとは説明が出ますが、音量小さめで1時間ちょっとの再生の割には減りすぎかなと思います。ただ、トイレに行く間にちょっと充電するだけでも、8割ほどの表示に戻るので、十分に実用的だと思います(それか、表示の精度が低いか)。
このHearID ANC でノイズキャンセリングを更に効果的にできるらしいのですが、筆者の仕事環境ではぎりぎり音量レベルが届かず、実験できませんでした。後日、うるさいところで試したいと思います。
サウンドエフェクトでは、主にイコライザーの設定ができます。3DオーディオはLDACと同時使用ができないので、音楽視聴がメインの私はあまり使わなさそうです。オンにしてみたところ、違いがよく分かりませんでした。
プリセットとカスタムは、どちらもイコライザーで、カスタムは8バンドのグラフィックイコライザーを操作できます。
HearID Soundは、ANCのHearID ANCとは「別のプロファイル」を作成する必要があり、こちらはANCと違い、静かな場所でのテストが推奨されています。内容は聴力テストのような音を左右の耳で行います。
全部の音が聞こえたので、右耳だけ一番聞き取りづらい音を聞こえないと応答してみました。そのため、このようなグラフになっていると思われます。
ただ、気のせいかこの設定にしてからコーデックを通常のものに戻すと(LDACからバランス型)、先述の高音のシャリシャリ感が軽減された気がするので、それなりに何かが調整されているようです。
まとめ:Soundcore Liberty 3 Proは買いか?
ガジェット好きで、Ankerのイヤフォンが初めてなら買っていいと思います。というのも、アプリでテストを受けて調整して……というので、専用アプリのないイヤフォンよりはガジェットとして楽しめるからです。
そして、オーディオファンではない筆者くらいだと、音質には文句はありません。特に、通常のコーデックとLDACで音が明確に違うことが分かるので、「そうは言っても自分はそこそこいい音がいいな」という場合には、バッテリーの消耗と引き換えに、聴いて分かる程度の音質の違いを体感できて、満足度が高いです。
また、着脱検知などで誤動作が起きていない点、イヤーチップ、イヤーウィングを別に付け替えて調整できる点や小型軽量な点などは普段使いの道具としてプラスです。ただ、イヤフォンに2万円近いお金を払うのはちょっと……というハードルを越える必要はあります。Geoの格安品もありますからね。
使い勝手においては本文でも触れましたが、イヤフォン本体のタップ操作で風切り音の低減の操作ができないことや、アプリの起動が少し遅めな点は気になります。
といったところで、ガジェットが好きで、高級品を買うほどではないけど、そこそこいいものがほしい人にはお勧め出来ると思います。