世の中には色々なアプリケーションがあります。
Word, Excel, OutlookといったOffice 系だけではなく、クリエイティブ系のアプリケーションやテレワークで導入が進んでいるビジネス系のチャットツールなど、色々なものが存在しています。
そうなると、常時全てのアプリケーションを起動しているとPCに負荷がかかったりして作業効率が低下することもあります。
また、せっかく作ったRPAも、いちいちデスクトップを開いて起動するのもちょっと億劫ですよね。
それを解決してくれる設定が、実はWindows にはあるんです。
それが、「ショートカットにショートカットキーを割り当てる」ことです!
ちょっとややこしいですね……。どういうことか見て行きましょう。
ショートカットにショートカットキーを割り当てるとは?
Windows のショートカットとは
アプリケーションをインストールしたりすると、デスクトップやスタートメニューに自動的に追加されるアイコン。あれこそがショートカットです。
もちろん、アプリケーションのインストーラからだけでなく、アイコンを右クリックしたりすることで、ユーザーが任意にショートカット「ファイル」を作り出し、PC内の任意の場所に置いておくことができます。
ファイルのアイコンを右クリックして「ショートカットの作成」や、「送る」の中にある「デスクトップに送る(ショートカットを作成)」などで簡単に作れますね。
「そのくらい知っているよ!」という方も多いと思います。アプリケーションだけでなく任意のファイルに関しても作成できるので、よく編集するファイルのショートカットをデスクトップに置いている方も多いのではないでしょうか?
ただ、実はこのショートカットに関しては、ただ単にファイルやアプリケーションを探しに行く手間を省いてくれる(ショートカットしてくれる)以上の機能があります。
いろいろあるショートカットの機能
ここでは代表的なものだけ、簡単に紹介します。
作業フォルダの指定
アプリケーションが「どこのフォルダで動作するか」というのが作業フォルダです。今のWindowsでは、昔のように一時ファイルをアプリケーションと同じフォルダに書き込むといったことはなくなりました。
しかし、自動的に大量にファイルを処理するようなスクリプト・バッチ処理ではこの作業フォルダを指定できると便利なことがあります。
互換性の設定
Windows がどんどんアップデートされるにつれ、昔のWindows 向けに作られていたレガシーなアプリケーションが動作しなくなることが多くなりました。
しかし、Windows では可能な限り過去の資産をいかせるように、様々な後方互換のためのオプションを用意しています。その設定を、ショートカットで行うことも可能です。
実行時のウィンドウサイズの設定
これが実は地味に便利で、アプリケーションを起動するときのウィンドウの状態を設定できます。
とはいえ、対応しているアプリケーションが少ないのが難点です。例えば、タスクバーにはタスクが表示されていなくてもタスクトレイには常駐するようなアプリケーションなどは(起動されるわけではないので)効果がありません。
ショーカットキーの設定
そして、Windows の標準の機能として、作成されたショートカットを、任意のキーの組み合わせ(といっても制限はありますが)から実行できるようにする機能です。
ショートカットのショートカットキーの設定方法
ショートカットキーの設定方法は簡単です。
- ショートカットを設定したいショートカットを右クリックし、出て来たコンテキストメニューからプロパティを選択
- ショートカットキーの入力欄にカーソルを合わせる
- 設定したいショートカットキーの組み合わせを入力する(解除したい場合は、Shiftを一回だけ押す、などモディファイアだけを押して離せばなしになる)
- 適用したり、OKを押したりして設定変更を確定して、プロパティのダイアログを閉じる
これだけです。そういう機能があると知っていたら簡単ですね!(問題は意外に知られていないことですが)
難点としては、やはりWindows キーが割り当てられないことでしょうか。覚えやすく押しやすいキーの組み合わせは、アプリケーション側でも使われていることが多いので、なかなか困ってしまいます。
また、アプリケーションとの重複防止だと思いますが、Ctrl+Alt やCtrl+Shift, Alt+Shiftといった複数のモディファイアを設定する必要があります。
ショートカットキーによる起動を便利に使う方法
よく使うアプリなんて、タスクバーにピン止めしてるからいいよ、という方もいるかもしれませんね?
確かに、単に「アプリケーションの起動」だけならそこまで嬉しくないかもしれません。それでは、ショートカットキーによるショートカットの起動を便利に使う方法をご紹介しましょう。
1. よく使うフォルダを登録する
Windows Key + E でエクスプローラが起動するというのは皆さんご存じでしょう。
しかし、現在のビジネス環境では、マイドキュメントやデスクトップにファイルが集約されているという環境の人は最早少なく、NASはもちろん、各種クラウドストレージなどを併用して、同僚とファイル共有している、といった方が多数派だと思います。
そんなときに、目的別のフォルダをショートカットキーですぐに開けると、仕事への集中力を切らさずに素早くアクセスできておすすめです。
2. 起動オプション、引数を渡す
簡単な例で言えば、関連付けられていないけれど、特定のアプリケーションで特定のファイルを開きたい、といった用途の場合。
あるいは、Google Chrome のように、起動オプションでアプリケーションの動作が変わるような場合で、よく使う場合などに、起動オプションを設定したショートカットを用意して、それを頻繁に起動するような場合には手早く、直感的に選ぶことができます。
なんといっても、起動オプションを変えただけでは、通常アイコンが変わらないので沢山用意する場合には、見た目だけではすぐに判別ができません(名前は変えられますが……)。
しかし、ショートカットキーによる起動であれば、覚えてさえいれば見た目で判断する必要がなくなるのでストレスフリーで、間違えることもなくなります。
3. RPAを起動する
RPAにも色々種類がありますので、全てのRPAでこれが実行できるわけではないです。
しかし、当サイトで紹介している AutoHotkey(Pulover’s Macro Creator)や日本で古くから使われいてるUWSC Proについては、「EXEファイル」を出力する機能が付いています。
これがどういうことかというと、RPAのフローを1つのアプリケーションとして独立させ、書き出すことができるんですね。
AutoHotkey については、もともと常駐してショートカットキーの入力で起動することを念頭に置いたアプリケーションなので恩恵が薄いですが、一方でUWSC Proについては起動されたら全自動で動くことがメインのアプリケーションです。
このようなタイプのRPA を利用している人にとっては、一番簡単にRPA を実行することができるようになるのでより効果的に使えるようになりますよ。
もちろん、独自の実行可能形式を出力するタイプでなくても、起動オプションなどで任意のストーリーを実行できるRPAもありますので、その場合は2. のパターンを試してみて下さいね。
4. 番外編 バッチ処理やスクレイピングなどを実行する
番外編と言いつつ、筆者のメインの使い方はこれなのですが、RPA ではなく大量のデータを(Excel外の)プログラムで一括処理したり、収集したりという場合もあると思います。
それを繰り返し実行しなければならなかったりする場合、せっかくバックグラウンドで人間の作業を邪魔しないように作ったにも関わらず、いちいちバッチ処理を起動していては面倒です。
そういうときに筆者は、特別に起動するスクリプトを割り当ててショートカットキーから実行できるようにしています。意外に便利ですよ。
終わりに
アプリケーション固有のショートカットキーはもちろん便利ですが、あくまでもそれはアプリケーション内での話です。
人によりますが、複数のアプリケーションを忙しく行き来したり、フォルダをあちこち開かなければいけない、といった用途も多くあると思います(全部RPA 化できればいいですが)。
そういったときに、OS 全体として使えるショートカットの機能は、手軽な割に応用が利いて便利なのでお勧めですよ!