Raspberry Pi をセットアップしてみるよ!

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今回は、効率的にIT仕事をする上で便利な Raspberry Pi をセットアップします。

楽介は、FreeBSD や Linux をIntel CPUのPC(x86系またはAMD64系)にセットアップした経験は多いですが、Raspberry Pi のようなマイコンは初めてです。手探りな作業録となります。

Raspberry Pi のセットアップの目的!

Raspberry Pi って仕事の何の役に立つの? という気持ちで検索した方もいると思うので、今回の楽介のセットアップ目的を先にご紹介します。

1. ファイルサーバーとして使用する

ちょっと前まで、会社でファイルを共有するといえば、NASが主流でした。今回は、このNASに近いものをRaspberry Pi を使って構築します。

もちろん、Microsoft365についてくるOneDrive など、業務外で自由にできるクラウドストレージもありそちらの方が楽で、コストパフォーマンスもよいのですが、ペットの動画などがあり、1TBの容量では少し心もとないため、容量の大きなバックアップ先として用いたいと考えています。もちろん、業務で使う場合は、クラウドストレージでは速度が遅すぎる……といった場合はこういったオンプレミスのサーバーはまだまだ必要でしょう。

NASにしないのは、ついでだから他の用途にも使いたいな……というのがあります。

多機能なNASもありますが、自由なサーバーのインストールはさすがに難しいです。

2. VPNサーバーとして利用する

上記ファイルサーバーへのアクセスを、外部に公開するのはちょっと怖いので、外部からはVPN経由でのみアクセスできるようにしようと考えています。

3. WordPress のテスト環境として利用する

Local などを使って、WordPress をローカル環境で構築、完成したものを本番環境に適用することはできます。ただ、このやり方だと他の人が「ちょっと動いているところを見たい」といった場合に少し面倒です。

特に、メイン環境をデスクトップPC, 出先ではノートPCといった場合に、デスクトップPCを起動しておいて、かつリモートデスクトップなどを使ってLocal を起動しないといけません。

楽介は副業では、WordPressのサイト構築を現在は請け負っていませんが、たまに個人的に頼まれたときに便利なので用意しておくといいかなと思っています。後は、Elementor のテンプレートを保存・プレビューする場所としても考えています。

4. 一般的なレンタルサーバーでは動かないWebアプリを動かしたい

WordPress のような、ウェブブラウザ経由でアクセスはするものの、レンタルサーバーでは動かないWebアプリケーションというものは、結構あります。

今回は、プロジェクト管理ツールのRedmineをインストールしようと考えています。これは、他人と共有するつもりは今のところありませんが、現在多数のプロジェクトを抱えているので、いい加減、専用ツールが欲しいな……ということで、自分用に作って見ることにしました。

5. とりあえず慣れておく

Python を使った RPA を業務で使うことが増えている一方で、長時間動作させたい事例も増えています。

Windowsアプリの場合には、ARM 版の Windowsを使うとか、Linux 上のエミュレーター(Wine)などを使うとか、工夫は必要です。ただ、Web画面だけであれば Raspberry Pi OSや他のLinux デスクトップ環境でも使えるので、必要になったときに環境構築できるようにしておこう、というワケです。

Raspberry Piとは?

まずは今回取り扱う Raspberry Pi について簡単におさらいです。

Raspberry Pi, 通称ラズパイはARM という、IntelのCoreシリーズやAMDのRyzen, はたまたAppleのMシリーズとは異なる、低電力のCPUを搭載した小型のコンピューターです。シングルボードコンピュータとも呼ばれますね。コンセプトとしては、教育用の安価なPCとのことです。

CPUやメモリ、ディスプレイ出力ポートなど、デスクトップコンピューターの大体の機能が名刺サイズの基板に凝縮されています。HDD/SSDは内蔵されていませんが、microSDカードリーダーが搭載されていて、通常はこれにOSをインストールします。後は、ディスプレイやキーボード、LANケーブルなどを挿せば非力ながらコンパクト・低電力なコンピューターとして使用できます。

ARMアーキテクチャ用のWindowsであればWindowsも動作しますが、通常のWindows アプリケーションはエミュレーターを通して動作させることになります。そのためか、こちらの用途は余り聞きません。

どちらかというと、Raspberry Pi OS Lite を使ったサーバー用途(今回の楽介の用途)や、センサー類・カメラなどを取り付けてのIoT用途が多いように思います。

また、シングルボードコンピュータとしてのRaspberry Piの他、マイコンに分類されるRaspberry Piファミリー(Zero や Picoなど)もあります。こちらは、OSは搭載しないでセンサー類や出力機器(ディスプレイに限らず、LEDやモーターなど)と組み合わせたIoT用途がメインですね。より小さく安価ですが、扱いにはプログラミングの知識が(ほぼ)必須になります。

Raspberry Pi 4を購入する

今回楽介が利用するのは、Raspberry Pi 4Bの4GBモデルです。色々サーバーをインストールしますが、GUIなしで一人で使うだけなので、(多分)間に合うでしょう。

2022年9月現在、Raspberry Pi4は品薄です。世界的な半導体不足の影響というよりは、需要の増加が影響しているようです。そのため、個人用途の販売が抑えられ、業務用途に優先して流通させているようです。経済活動を優先しているということですね(小型PCですので、キオスク端末などにも使えます)。

安定して購入できるのはAmazon かつ、Starterキットになります。

ただし、品薄時はAmazon の製品は高めに設定されていることがほとんどです。

スターターキットは比較的、価格の上昇幅が低くなっているイメージです(企業用途で売れにくいからでしょうか?)。また、初めての場合は、いずれにせよスターターキットがオススメです。というのも、単品で購入すると本当にボードだけなので、起動に必要なmicroSDカードや電源供給用のType-Cケーブル、本体を保護するケース・ヒートシンク・ファンなどがついて来ないからです。

microSDカード・Type-cくらいならおうちに古いものが転がっている方も多いとは思いますが、ケースは購入するか3Dプリンタなどで自作するかですし、ヒートシンク・ファンについてはRaspberry Pi4にもなると大分高性能化が進み、ほぼ必須だそうです。用途・環境によっては使わなくても運用できるのかもしれませんが「なくても大丈夫」という判断は初心者には難しいです。そして、サイズにあったものを個別に買いそろえるよりはまとまっていたほうが買いやすいです。

ということで、最初はスターターキットが便利でしょう。

また、KSYさんがRS正規代理店さん、SWITCH SCIENCEさんが日本ユーザーグループでも紹介されており信頼度が高いみたいです。また、この2サイトは品薄時でもそれほど値上げはないようです。ただその分、すぐに売り切れてしまうみたいですが……。

個人的には送料や、会員登録(住所入力)の手間なんかもあるのでAmazonで買いたいのですが……、早く流通が安定してくれることを願うばかりです。

また、プログラム学習用、子ども用などにPCが欲しい場合。キオスク端末やシンクライアントとしてのデスクトップ環境が欲しい場合には、Raspberry Pi 400を採用する手段もあります。

こちらは、キーボード・ケースが一体になった商品で、microSDカード、ディスプレイ・HDMIケーブル、電源などは用意する必要はありますが、Raspberry Pi 4B 4GBと同等以上のハードウェアが安定して入手できます。ディスプレイをモバイルディスプレイで用意すればラップトップ(ノート)PCとは違ったモバイルPCとしても、利用できそうです。

起動ディスクを用意する

用意するもの

  1. 書き込み用のmicroSDカード(今回は32GBを利用)
  2. WindowsやMacなどのPC
  3. microSDカードリーダー
  4. ネット環境

microSDカードは、外部HDDなどを接続しない予定であれば、少し容量の大きめのものを用意した方がいいかもしれません。

OSイメージの書き込みツールをインストールする

Raspberry Pi OSには、ディスクに起動イメージを書き込む(※Raspberry Pi OSに限らず、WindowsなどのOSはただディスクにファイルを書き込むだけでは起動しません)公式ツールが用意されているので、それを利用します。

ダウンロード

上記サイトにアクセスして、使用しているOSに合わせたRaspberry Pi Imagerをダウンロードします。

 

ここではインストールしたいバージョンなどは気にせず、自分のOSにあったものをダウンロードすれば大丈夫です。

容量は小さいですが、海外にあるためか少し時間がかかります。

インストールする

Raspberry Pi Imager をダウンロードしたら、そのまま起動します。

通常通りのインストーラーが起動しますので、「Install」ボタンをクリックしてインストールを行います。特別、広告ソフトなどがインストールされることもないようなので、安心してボタンをクリックして進めます。

インストールが完了したら、「Run Raspberry Pi Imager」にチェックを付けて、インストーラーを終了します。後から起動してインストールディスクを作ることもできますが、普通はそんなに何度も、起動ディスクを用意しないと思います(特に今は品薄ですし……)ので、インストール直後に起動すれば十分でしょう。

イメージの書き込み

Raspberry Pi Imager が起動すると、ボタンが3つ表示されます。OSと書き込み先のストレージ(microSDカード)を選んだら、書き込むだけという非常に分かりやすい構成になっています。

OSを選ぶ

起動ディスクに書き込むOSを選択します。色々な目的にあわせたプリセットが用意されています。標準では、Raspberry Pi OS(32-bit)が選ばれてしまっているので、ここではRaspberry Pi OS(other)を選びます。

今回はサーバー用途なので、Raspberry Pi OS Lite(64-bit)を選びます。Raspberry Pi OS(64-bit)は、マウスで操作できるGUI環境がついてきますが、その分ハードウェアに余計な負荷がかかるので最小構成のLiteを選択します。サーバー用とでも、GUIのデスクトップが必要だな……という方は上を選ぶといいと思います。

また、Raspberry Pi では長らく32bit OSしか安定版が提供されていなかったようですが、最近、64bitバージョンも提供されているそうです。ただし、もちろん、ハードウェアが64bitに対応していなければ動作しません。Raspberry Pi 3以降が対応しているそうですが、プログラミングの学習用などであれば、標準の32bit Desktopバージョンでもいいと思います。

ストレージを選ぶ

「ストレージを選ぶ」ボタンをクリックすると、PCに接続されているムーバブルディスクが一覧されます。普通は1つだと思いますが、楽介のPCは色々ささっているので、3つ表示されています。デバイス名の他、ドライブレターや容量が表示されるので間違えることはないと思いますが、慎重に選択しましょう。

ここで選んだストレージのデータは、全て削除されてRaspberry Pi用になります。

初期設定を行う(2022/9/24)

OSとストレージを選ぶと、「書き込む」ボタンがアクティブになり、クリックできるようになります。デスクトップ用のセットアップであれば、ここまでの作業を終えた後に書き込んでも大丈夫だと思いますが、キーボードやディスプレイを接続しないサーバー用途だとSSH(リモート)で接続ができずに使用できなくなってしまいます。そこで、OS, ストレージを選択後、右下の歯車アイコンをクリックします。

詳細な設定ウィンドウが表示されるので、SSH用の設定を行います。

  • カスタマイズオプション:このセッションのみで有効にする(どちらでもいいですが、ホスト名が重複すると面倒なので……)
  • SSH を有効化する(サーバー用途ならかならずチェック、デスクトップ用途なら無効の方がいいでしょう)
  • パスワード認証を使う(簡単なのはこちら。公開する予定があるサーバーでは「公開鍵認証のみを許可し」ましょう)

  • ユーザー名とパスワードを設定する(SSH接続の場合、設定しておかないと接続出来なくなります)
    • ユーザー名(標準のpi でもいいですが、多数の人がアクセスする場合は、これも変えた方がいいでしょう)
    • パスワード(慣例的に、raspberry が使われてきましたが、セキュリティの観点からこれが無効にされました。自分だけが分かる、強固なパスワードを設定しましょう)
  • Wi-Fiを設定する
    • Wi-Fi を使う場合は、SSID, パスワードを設定します(楽介は有線なので入力しません)
    • 対応しているwi-fi はb, g n, ac まで(Wi-Fi 6は非対応)。周波数は2.4GHz, 5GHz帯です。

  • ロケールの設定
    • タイムゾーンをAsia/Tokyoに
    • キーボードレイアウトは普段使うもの、あるいはRaspberry Piにさすものにあわせましょう。

書き込む

詳細設定を保存したら、後は「書き込む」ボタンをクリックするだけです。

クリックすると、上記の様な警告画面が表示されますので、内容を確認して(選んだストレージに不安があれば特に注意して)「はい」をクリックしましょう。

後は、書き込みが完了するのを待つだけです。GUIつきでも、1GBないくらいのイメージですが、細かなファイルを大量に展開する関係か、時間がかかります。待ち時間に、スターターキットの組み付けなどを行いましょう。

Raspberry Pi 4 ハードウェアのセットアップ

ハードウェアのセットアップとはいえ、本来のRaspberry Pi 4として動作させるのであれば、USB Type-Cコネクタによる電源と起動ディスクが刺さっていれば充分です。

ただ、セットの販売者にもよりますが、スターターキットの付属品については説明がなかったりするので、楽介が購入したものの組み付けを紹介します。PCの自作をしたことがあっても、ぱっと見で分かりにくかったりしますからね。

ヒートシンクの取り付け

筆者の購入した Raspberry Pi 4と Microsoft の Arc Mouseです。しみじみと小さいですね(高さはありますが)。

ヒートシンクが3つついていたので、大きさのあうチップにつけていきます。一番大きいのがCPUで、その隣がメインメモリだそうです。もう1つは、チップセットかなにかでしょうか。

通常はヒートシンクにシールがついているので、台紙を剥がして取り付ければOKです。熱伝導率のいいシールのためか、ちょっと台紙から剥がしづらいこともあるようですが、丁寧に剥がしましょう。

写真は貼り付けて、さらにケースに組み付けたものです。ワッシャーなどは使用せず(ついてなかったので)そのままネジ止めしました。

ファンの接続

小型のファンが付属していたので、これも接続します。PCのファンと違って専用のピンなどはないので、GPIOの中から選んで接続します。

5Vのファンなので、素直に4番ピンに赤い線を、隣の6番ピン(GND)に黒い線を接続します。3.3Vから電源をとって、回転数を落として静かに運用するというのも一つだとは思いますが、冷却性を優先しました。

GPIOのレイアウトについては、下記サイトを参考にしました。

Power, Groundくらいは目視でも簡単に見つかりますが、上部メニューのタブから目的のピンをハイライトできるので使いやすそうです。

GPIO?

General Purpose Input/Output のことで、汎用入出力と訳されます。PCなどではUSBポートに周辺機器を接続し、ドライバーを経由して通信しますが、Raspberry Pi 4の場合はGPIOを経由した電気信号のやりとりで周辺機器(センサーなど)を制御します。

分野としては、IoTや電子工作をする場合に使われます。

また、ドライバーを経由しないでLEDを光らせたりできるので、プログラミング学習などにも使われます。目で見て、分かりやすいですからね。

ファンの取付と向き

ファンはケースに、ネジ2本で取り付けるタイプでした。ファンの向きですが、通常、シールがある方に空気が吐き出されます。

今回はCPUの直上にファンが来るようなので、ケース内に吹き付ける方向(基板に向かって吐き出す方向)につけました。通常のPCだとケースファンは吐き出しのことが多いですが、小さいので多分、CPUを冷却しつつ、熱くなった空気も吐き出してくれる……と期待しています。

この辺りは、ケースの材質やレイアウトにもよると思うので、各自工夫がいると思います。

終わりに

今回は、ハードウェアとOSの本当の初期セットアップまで行いました。とっても基本的なことですが、余りに基本的すぎて通しで説明している資料が見つかりませんでした(多分入門書などには書いてあります)。

「Raspberry Piに興味があるけど、とっかかりが分からないな」とか「子ども・家族用に安価な端末を探しているんだけど、セットアップって難しいのかな」という方の手助けになればと思います。

Desktop バージョンをインストールするのであれば、OSの選択部分だけを変えて進めれば、後はmicroSDを差し、マウス、キーボード、ディスプレイを接続すれば通常のPCと同様に使用出来ます。Windowsとはちょっと勝手が違いますが、iOSとAndroid程度の差くらいしかない、というのが最近のGUIの傾向なので問題ないと思います。

このブログでは引き続き、マウス・キーボードを接続しないサーバー用途でセットアップしていきます。

次回:

Raspberry Pi4B をサーバーに仕立てる ベース編

楽介でした。

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