メインの仕事環境を、デスクトップから徐々にノートパソコンに移そうと思い(中小企業診断士の実務従事の頃から)、少しずつ環境を整備しています。Raspberry PiでNASを構築しようとしているのも、その一環ですね。ストレージの他に、ノートPCがメイン環境になって困るのは、サブディスプレイです。
以前は、ノートPCはMacだったので SideCarが使えたのですが、やっぱり中小企業診断士の実務従事で、周りの環境に合わせるために Windows にしました。そこで、Windows OSでもiPadをサブディスプレイにできるように(ブログの記事にしようしようと思って忘れていたのですが)LunaDisplayを導入しました。
LunaDisplayとは?
MacOSとiOSの組み合わせで使えるSideCarのように、Windows OSでもiPadをサブディスプレイとして動作させられる、ソフトウェアとハードウェアがセットになったソリューション。MacOSにも対応していますが、SideCarが使えるので、あんまり使う人はいないんじゃないかな……と思います(この辺り開発元のAstroPadとしては、Apple側にものすごい恨み言があるようです)。
仕組みとしては OS にLunaDisplayのドングルを映像デバイスと誤認させ、ディスプレイ出力をWi-FiやUSB Type-C(Thunderbolt3)を経由してiPadに送信するというもの。
かなり便利で、愛用しているのですが、ちょっと問題になるのがやっぱりWi-Fi経由だと描画が遅れるのと、ときどき画質が荒くなるところです。Wi-Fi 6などの低レイテンシならなんとかなるのかもしれませんが、外出先ではちょっと難しいですよね。
そこでType-C, Thunderbolt3でiPadとPCを接続するという選択になります。こうなると安定して接続が可能です。
Wi-Fi接続でも、外出先モードとして自動接続ではなくQRコードでの読み取りによる接続モードがあり、セキュリティには配慮されているようなのですが、デスクトップの映像を無線に乗せて流すというのが心配な方も、この接続方式がいいでしょう。
ただ、この方式の問題点は、
- LunaDisplayのドングル
- iPadとの接続
で、Thunderbolt3のポートを2つ埋めることです。さらに、充電も行う場合は3ポートが埋まります。
楽介が以前使っていたMacBook Pro はType-Cが4ポート(その代わりType-Aはなし)あったので問題なかったのですが……。新しく買ったノートPC には、Thunderboltポートが2つしかなかったのです。
それ以外でも、Type-C のポートが2つだけ、というWindowsパソコンは多いと思います(というかそんなにつながない)
LunaDisplayには絶対にThunderboltが3ポート必要か?
もちろん、Wi-Fiでつなぐのであれば、最低1ポートで充分です。後は、充電をしない・あるいは充電専用のコンセントがあれば2ポートで間に合います。ただ、Type-Cじゃない充電方式のモバイルPCはどんどん淘汰されていくように思います。
じゃあ、Hubは使えないの? となりますが、実は Thunderbolt3はこれまでのUSBのようなカスケード(HUBで分割していく)接続ができません。Thunderbolt4ならできるらしいです。
幸い、楽介が買ったPCは Thunderbolt 4なのでカスケード接続に対応しています。やったぜ、解決。
ちょっと……高いです。しかも、250g、ACアダプタ別と、モバイル用途には悩ましい感じのスペックです。
他になんかないの?
1ポートは正直、電源だけ供給してくれればいいのだから、通信方式には影響しないような気がします。ということで調べて見たところ、Amazonで1商品だけありました。
特別、注意書きなどはないですが、当然、Thunderbolt3の仕様の外なので、自己責任です。レビューを見ると、ちゃんと2ポートとも動いているというものがあり、ギャンブルですがやってみる価値はあり。
ということで、購入しました。
マニュアルとポートの配置が異なりますが、ご愛敬です。
とりあえず、適当に接続してみると……
Windowsからも警告されてしまい、ダメ。
色々配線を変えてみたところ、
この配線で成功しました。
LunaDisplayで接続方式を見てもちゃんとUSBで接続されており、Latencyも問題ありません。やったね。ノートPCも、きちんと充電されています。
問題はないの?
仕様外の接続ですが、一応ちゃんと動いているようです。
ただ、やはりいくつか問題はありそうです。
再現性が低い
Hub側のポートだけでなく、本体側もポートもこの配置でないと、LunaDisplayのドングルやiPadが認識されません。つまり、マザーボード・Thunderboltのコントローラー側の仕様も大きく影響しそうなので、他のPCでもきちんとできるかは、不明です……。試してみる方は、この点ご了承ください。
Hubがすごい熱い
コーヒーの保温に使えそうなくらいホットです。
楽介のノートPC の充電器が100Wで、ハブの電力の限界も100wなので、仕方ないとは思います。
iPad への給電がほとんどない
実験はiPad miniで行いましたが、それでも「充電停止中」の表記が出ています。とはいえ、ゆっくりと充電されているみたいですが……。
これが大型のiPad Proなどでは、バッテリーが徐々に減っていくと思われます。
今から買うなら HDMI の方がいい
楽介が買ったときはまだ発売されていなかったか、あるいはMacbook ProにType-Cポートしかなかったからだと思うのですが、現在、LunaDisplayのラインナップはType-C, mini-HDMI(Macのみ、との表記)、HDMI(Windowsのみ表記)です。
HDMIを搭載したWindows モバイルノートはまだまだ多いですし、Type-Cの標準的な仕様のハブでも、HDMIと電源用のパワーサプライがついていることが多いので、2ポートでも事足ります。
PC本体の充電をType-Cで行う仕様でさらにType-C/Thunderbolt3が1ポートだけだと、ちょっとお手上げですがさすがにそれは取り回しが悪そうなので、多くはないかなと思います。
まとめ
人様にオススメするか? と言われたら、HDMI / mini-HDMI仕様のLunaDisplayと、Type-CケーブルでiPadとの接続をおすすめします。それも難しいようであれば(Type-Cポートが一つだけとか)、別のモバイルディスプレイの購入をお勧めします。
そもそも、LunaDisplayを使うメリットが、出先でのケーブルの煩わしさの軽減と、Apple Pencilが使用可能な点にあると思います。後は楽介の場合はiPad単体でKindleを読むことが多いので、その辺りでしょうか。これらにメリットを感じないのであれば、安くなっている液晶タブレットの方が変なことを考えずにペン入力に対応しつつモバイルのサブディスプレイ環境を得られるかもしれません。
レスポンスが改善しているらしいwi-fi6(ax)以降であれば、無線運用も結構使えるのかもしれませんが、現状楽介は実験できていませんので、実験できたらまた報告したいと思います。
楽介でした。