ChatGPT の新機能 Custom Instruction
Custom Instuction とは?
ChatGPT に July-20 update で追加された、Code Interpreter に継ぐ新機能です。こちらは、アプリやCode Interpreter とは違い、 ChatGPT の「できること」は拡張しません。どちらかというと、ChatGPT という Web UI (またはアプリ)を通してユーザーである人間ができることを増やします。
Custom Instruction は、ChatGPTに対して、「応答に際して考慮してほしい事項」を提供することにより、よりよい回答を生成する手段を提供する、となっています。
Custom Instruction には現在のところ、
- より良い回答をしてもらうために ChatGPT に知っておいてもらいたいこと
- ChatGPTにどのように対応してほしいか
という2つの入力欄があります。それぞれ、「知識や前提条件、ユーザーの人間としての属性」と「ChatGPTで行うべき対応、口調」などを指示するように設定されており、1500字まで入力可能です。
とはいえ、ChatGPTが振る舞い自体に知識が含まれることもあるでしょうし、そこまで厳密に考えずに、パーソナルインストラクターやコーチ、あるいは美容師や医師へ提出する事前アンケートのようなものとして捉えるといいと思われます。
また、これらの指示は、プラグインを利用した挙動にも影響を与える(はず)ということです。
Custom Instruction が使える人
現在のところ、ChatGPT Plus のユーザー全てで、無料ユーザーには公開されていません。
また、EU, イギリスでもサービスは提供されていないそうです(背景的に色々あるんでしょうね……)。
Custom Instruction の使い方・有効化
Custom Instruction は現在のところ beta 版のため、ユーザーが自分で有効化しないと使用できません。有効化するには、ドットメニューから、
Settings & Beta を選択、
左メニューから Beta features を選択し、右パネルから Custom instructions をオンにし、×ボタンでモーダルを閉じます。
Custom instructions に設定を追加するには、もう一度メニューを開き、
My plan の下に追加される Custom instructions を選択します。
テキストボックスを2つ持つモーダルが開くので、それぞれに指示を入力し、「Enabled for new chats」をオンにし、Saveボタンで閉じます。
テキストボックはそれぞれ、
- ChatGPTに知っておいてほしい前提
- ChatGPTに要求する振る舞い
に対応しますが、先述した通り、そこまで厳密に考えることはなく、アンケートや問診票に記述する自由欄のような気持ちで、ある程度自由に書いていいと思います。
Custom Instructions の振る舞いを見てみる
Custom Instructions は、プロンプトエンジニアリングのテクニックの一つである、 ChatGPT の役割を定義する方法に専用の UI を与えたもののように見えます(「あなたは有能な経営コンサルタントです」で書き始めた方がビジネスに対するアドバイスが的確になるなどのテクニック)。
API を利用してプログラムを行う人からすれば、 「System Role のメッセージをある程度カスタマイズできるようになったのでは?」と思うかもしれません(Prompt Injectionに強い System Role の扱いが実現できた?)。
恐らく、チャットのログ( Memory )よりも揮発・風化しない形でチャットの最初から最後までなんらかの形で参照される形式をとっていると思いますが、詳しいところは分かりません。まずは、テーマを決めて Custom instructions がどのように振る舞うか見て見ます。
共通する設定
ユーザーが所属する会社は、 Python などを利用したプログラミング・ソフトウェアの開発を教えるスクールであるとします。オフラインでの授業(スクーリング)の他に、オンラインでのリアルタイムライブによる講義、動画配信、教材の販売を行っており、顧客は日本中にいます。
プログラミング教育事業の需要は拡大傾向にありますが、絶対数はそれほど多くないため、顧客一人当たりの LTV が売上に大きく左右する業界で、 CRM (カスタマーリレーションシップマネージメント)が重要であり、 CRM ソリューションも導入しています。しかし、教材の販売部門や企業研修サービスの販売部門などの営業部門において、 CRM ソリューションへの情報入力に不備が多いと教育部門や製品開発部門から不満が出ています。
また、事務処理を担当する部門からも、営業部門で行うべきデータ入力を押しつけられるといった苦情が上がっています。これには、営業部門の年齢層が比較的高い一方、事務処理部門には非正規雇用が多く、部署間のパワーバランスも問題になっていると考えられます。
営業部門のペルソナ
- ペルソナ名:佐藤 智也(Sato Tomoya)
- 年齢:52歳
- 性別:男性
- 出身:日本
- 役職:営業部門長
- 業界経験:30年
- 教育:関東地方の大学で商学を専攻。初めてコンピュータを触ったのは大学時代で、それ以来、技術進歩には苦手意識を持っている。
- 職歴:
メーカー企業での営業職を長年経験。トップセールスとして活躍し、ハードウェアの販売に精通。
メーカー企業を退職後、現在のプログラミングスクールに入社。営業部門長として企業研修サービスの販売部門や教材の販売部門を統括。
性格:人付き合いが得意で、コミュニケーション能力が高い。旧来のビジネススタイルに固執し、新しい技術や手法には抵抗感を感じる。営業成績に一途で、CRMソフトの使い方についてはあまり理解していない。
課題:CRMソリューションへの情報入力に不備が多く、他部署からの不満が集まる。しかし、その重要性を理解しておらず、自身の業務優先でデータ入力を事務部門に任せがち。
家族構成:妻と大学生の子ども2人。家族は彼の仕事に理解を示し、支えている。
趣味:ゴルフや旅行。営業のつながりで得た多くの人脈と週末に交流を持つ。
技術スキル:基本的なPC操作は可能だが、特に新しい技術には慣れていない。CRMソフトウェアの使い方も一部しか理解していない。
目標:営業部門の売上を更に伸ばし、企業全体の業績を上げる。
素のChatGPT(GPT-4)に課題の分析と解決を依頼する
以下の課題を分析し、解決策を提示してください。
所属する会社は、[中略] 問題になっていると考えられます。
こちらの課題は、主に次の3つの要素から成り立っているように見えます:
- CRMソフトウェアへの情報入力における不備
- 事務部門と営業部門の業務負荷の不均衡
- 組織間のパワーバランスと働き方の問題
それぞれの課題に対する解決策を提案します。
- CRMソフトウェアへの情報入力における不備:
- トレーニングの強化:営業部門に対して、CRMソフトウェアへの情報入力の重要性と正確な方法を強調するための定期的なトレーニングを行うことを提案します。また、具体的な入力例やベストプラクティスを共有することで、理解を深めることができます。
- ユーザーフレンドリーなソフトウェアの探求:現在使用しているCRMソフトウェアが使用しにくい、あるいは理解しにくいという場合、他のよりユーザーフレンドリーなソフトウェアに変更することを検討してみてはいかがでしょうか。
- 事務部門と営業部門の業務負荷の不均衡:
- 業務分担の見直し:CRMのデータ入力を誰が行うべきか、その範囲と責任を明確にすることを提案します。必要に応じて、データ入力専門の役割を作るか、営業と事務の間で適切なバランスを見つけることが重要です。
- 組織間のパワーバランスと働き方の問題:
- オープンなコミュニケーション:各部門間でのパワーバランスの問題を解決するためには、全てのスタッフが自分たちの意見や懸念を自由に表現できる場を設けることが重要です。例えば、定期的なタウンホールミーティングや匿名のフィードバックシステムを導入することで、意見を共有し、問題を解決に導く手段を提供することができます。
- 働き方の改善:非正規雇用のスタッフに対しても、フェアな処遇と尊重の精神を持つことが重要です。企業文化や働き方を見直し、全てのスタッフが貢献を認められ、満足度を感じられるような環境を作ることを目指しましょう。
これらの解決策はあくまで一部ですが、全体的な組織文化と各部門間のコミュニケーションを強化することで、問題解決に向けた一歩となるでしょう。
入力の時点である程度、課題を明確にしてしまっているので、整理して出してきたな……という感じがあります。では、プロンプトを少し変えてみます(念のため新規チャットを作成)。
この問題を5 whysアプローチで探求し、原因を特定した上で解決策を提案します。
- Why (なぜ): 営業部門のCRMソリューションへの情報入力に不備が多い。 Answer (答え): 営業部門のスタッフがCRMの操作方法を完全に理解していないか、またはその重要性を理解していない可能性がある。
- Why (なぜ): 営業部門のスタッフがCRMの操作方法やその重要性を理解していない。 Answer (答え): 営業部門のスタッフは年齢層が比較的高く、新しいテクノロジーへの適応が難しいかもしれない。また、CRMの利用に関する研修が不十分かもしれない。
- Why (なぜ): 営業部門のスタッフは新しいテクノロジーへの適応が難しい、またはCRMの利用に関する研修が不十分。 Answer (答え): テクノロジーへの適応力や研修の不十分さは、個々のスタッフの技術力や教育体制によるものかもしれない。
- Why (なぜ): 個々のスタッフの技術力や教育体制が問題となる。 Answer (答え): 営業部門のスタッフに対する適切な研修や教育が行われていないかもしれない。また、非正規雇用者が多い事務処理部門がデータ入力を押しつけられている。
- Why (なぜ): 適切な研修や教育が行われていない、また非正規雇用者が多い事務処理部門がデータ入力を押しつけられている。 Answer (答え): 組織内の役割分担や教育体制、労働環境が適切に整備されていないため。
解決策:
- 研修と教育: すべてのスタッフがCRMの重要性を理解し、それを適切に使用できるようにするために、研修と教育を強化する。これには、CRMの基本的な使い方から、その利用によって企業全体や顧客にどのような利益が生じるのかについて学ぶことを含む。
- 労働環境の改善: 事務処理部門のスタッフが押しつけられた作業に対処するため、役割と責任を明確にし、適切な労働環境を提供する。
- 技術サポート: 年齢層が高いスタッフが新しいテクノロジーを学ぶのを支援するために、IT部門と協力して技術サポートを提供する。
- プロセスの見直し: CRMへの情報入力のプロセスを見直し、必要な情報が欠けていないか、または誤った情報が入力されていないかを確認するための定期的な監査を実施する。
- フィードバックループ: クロス部門のコミュニケーションと協力を強化するために、定期的なフィードバックループを設ける。これにより、各部門が他の部門のニーズと期待を理解し、より良い結果を達成できるようになる。
言われた通り5 whys (なぜなぜ5回)を適用しています。
解決策についても5パターン用意されており、5段階の why で出て来た課題に対する回答が出力されています。一見すると問題なく 5 whys も実行されているように見えますが、「教育」や「研修」については深耕というよりは一部ループが発生しているようにも見えます。
Custom instructions に背景情報を入力して回答してもらう
Custom Instructions への設定
プロンプトと応答
この問題は基本的に3つの主要な要素に分けられます:データ入力の不備、業務過多の問題、および部署間のパワーバランスの問題。以下にこれらの問題を解決するためのいくつかの提案を示します。
- データ入力の不備:
- 営業部門に対してCRMソフトウェアの使用に関する研修を行う。これは具体的な手順の説明から始め、その重要性とデータの正確さが全体の業績に及ぼす影響について教育することを含む。このトレーニングはオンラインで行うことも可能で、従業員が自分のペースで学べるようにすると良いでしょう。
- データの入力や管理の効率を上げるために、自動化ツールを導入する。例えば、営業情報を自動的にCRMシステムにアップロードするソフトウェアなどです。
- 業務過多の問題:
- 業務の一部を外部の事務サービスプロバイダにアウトソースすることを検討する。これにより、社内の事務部門の負担を軽減し、営業部門のデータ入力に集中する時間を増やすことができます。
- データ入力などのルーチンタスクを効率化または自動化することで、事務部門の業務負荷を軽減する。業務の自動化を進めることで、人間のエラーを減らし、従業員がより重要な業務に専念できるようになります。
- 部署間のパワーバランスの問題:
- 社内での公平なコミュニケーションを促進するために、定期的な社内ミーティングを開催します。これにより、各部門が自分たちの状況を説明し、理解を深める機会を持つことができます。
- 部署間の役割と責任を明確にする。これにより、誤解や不満が生じる可能性を減らすことができます。
以上のような対策を講じることで、社内のコミュニケーションを改善し、各部署の効率と生産性を向上させることができると考えられます。
3つの問題に分割するという点で、通常のプロンプトに入力したものと差があまりありません。
しかし、プロンプトで入力した場合は「業務負荷の不均衡」であったのに対し、Custom instructions では「業務過多の問題」としており、改善案も1, 2共に業務量を減らす方向を示しています。
また、業務負荷の不均衡は 3. のパワーバランスの問題と重複する部分もあるため、より MECE に、明確に問題を切り分けられているのは Custom instructions を使ったものでしょうか。とはいえ、この程度入力時の乱数によって出力が変わる程度の内容だとも考えられ、Custom instructions を使った方がいいとは言いにくいです。
Custom instructions で手法も指示して分析と解決策を出してもらう
Custom instructions への設定
下のテキストボックスに、振る舞い自体への要求として 5whys分析を行った上で回答を行う旨を指示しています。
プロンプトと応答
まず、5 whys分析法を用いて、現状存在している課題を深堀りしてみましょう。
- なぜ教育部門や製品開発部門から不満が出ているのか?
- CRMソリューションへの情報入力に不備があるためです。
- なぜCRMソリューションへの情報入力に不備があるのか?
- 営業部門によるデータ入力が不適切または不足しているためです。
- なぜ営業部門によるデータ入力が不適切または不足しているのか?
- 営業部門の年齢層が比較的高く、CRMソリューションの操作やデータ入力の方法について理解が十分でない可能性があるためです。
- なぜ営業部門の年齢層が比較的高い人たちはCRMソリューションの操作やデータ入力の方法について理解が十分でないのか?
- CRMソリューションの使い方についての十分な研修やサポートがないためです。
- なぜCRMソリューションの使い方についての十分な研修やサポートがないのか?
- 企業全体として、CRMソリューションの重要性と正しい利用方法の理解と普及が不足しているためです。
以上の分析から、以下の解決策を提案します。
- CRMソリューションの研修の実施: 営業部門だけでなく全社員を対象としたCRMソリューションの使い方についての研修を定期的に行うことで、全員がソリューションを適切に使えるようになります。この研修では、CRMソリューションの使い方だけでなく、その重要性やデータの正確さがビジネスへどのように影響を与えるかについても教えることが重要です。
- 部署間のコミュニケーション強化: 教育部門や製品開発部門と営業部門との間で、定期的なミーティングを設けて情報を共有し、問題を解決するための対話の場を持つことが重要です。これにより、部署間の協力体制を強化し、CRMの使用に関する問題解決を迅速に行えるようになります。
- CRMの入力チェックとフィードバックシステム: CRMソリューションに情報を入力した後に、入力内容のチェックとフィードバックを行うシステムを導入すると、入力ミスの削減と入力スキルの向上につながります。
- 事務処理部門と営業部門の役割と責任の再定義: 事務処理部門が営業部門から押し付けられると感じている問題を解消するためには、各部門の役割と責任を明確にすることが必要です。役割の明確化により、それぞれの部門が何をすべきか理解しやすくなり、押し付けられると感じることを減らすことができます。
以上の解決策を実施することで、問題の根源を直接対処し、部門間の調和と効率を高めることができるでしょう。
こちらはプロンプトのみで実施した場合と比較して、明確な違いがあるように見えます。
というのも、なぜ Why のスタートが、プロンプト側は「営業部門のCRMソリューションへの情報入力に不備が多い。」という、課題そのもののスタート・言い換えれば簡単な分析や課題感を持った状態からスタートしています。一方で、Custom instructions を使用すると「なぜ教育部門や製品開発部門から不満が出ているのか?」という、問題点からのスタートとなり、そのアンサーとして「情報入力の不備」を挙げています。
プロンプトだけでの指示では、5 whys が一足飛びに進んでいて論点を個別に絞れていない傾向があり、論点にループも見られましたが、 Custom instructions を利用したものについては why 1回につき論点が絞られていて明確・ループがありません。
そのためか、導き出される回答についてもここまで無視されてきた(笑)、製品開発部門や教育部門も登場し、問題・課題を広範囲に表現した 5 whys を使わないものよりも MECE な解決策の提示となっていることが分かります。また、 CRM ソリューションの研修という、ごく当たり前な解決策の提示についても、「営業部門だけでなく全社員を対象」「重要性やデータの正確さが与える影響」と、より精度が高まっていることが分かります。特に、 5 whys の最後で「企業全体が CRM ソリューションの重要性と理解の不足」を指摘しているだけに、この分析は一般論の羅列だけでない、個別の事例に踏み込めていると言えると思います。
ここまでで分かる Custom instructions の振る舞い
恐らく、通常の Chat は全て「発言内容」として扱われるため、理屈から言うと主客、第三者の区別がない GPT からするとコンテキストが長くなると情報の混乱が起きやすくなるのではないでしょうか。今回のような few-shot の会話ではそれでも大きな問題はないですが、それでも Chat としては長文です。
そこに、 「5 whys を利用しろ」という振る舞いという意味づけを与えられた(fine-tune されているのかな…マルチモーダルの応用?)テキストがあることで、 5 whys に振る舞って分析するという規範が薄まらないで機能しているように見えます。
逆に、企業の抱えている問題については Chat で与えても問題がないとも言えるので、 Custom instructions の上段はもっと「人間」に寄せた内容が相応しいかもしれません。
自己紹介を Custom instructions に入れてみる
ここまでは問題点、課題点を先に Custom instructions に入れていましたが、今度は ChatGPT に「自己紹介」する形に変更してみます。また挙動の変化を確認するため、 ChatGPT に与える文章全体も変更してみます。
私(質問者)は45歳のプログラミングスクールの経営者です。理工学部を卒業した後、ソフトウェアエンジニアとして家電メーカーに勤務。SEを経て、プロジェクトマネージャーを経験。40歳になる5年前に独立してプログラミングスクールを起業。
経営においては短期的な収益よりも事業が継続することを重視しており、スクールのカリキュラムは生徒の意見を取り入れるようにしている。しかし、従来と比較して近年増えている生徒が子どもでも購買の決定権が親であるパターンや、企業研修でも決裁者と受講する人が異なるパターンに対し、顧客対応に課題を感じている。
※フィクションです(笑)
プロンプトに詰め込んでみる
単に、これらの課題を分析し解決策を提示するように、と指示すると、ほぼ自己紹介が無視されたので(笑)、「経営者の意向も汲んでくれよ」とメッセージをいれました。
これらの課題は、組織内のコミュニケーションやデータ管理の方法、組織構造の問題を示しています。以下にいくつかの解決策を提案します:
- CRMシステムの改善とトレーニング: CRMシステムへの情報入力が不完全であるという問題は、ユーザーがシステムを理解し使用するのが難しいか、またはシステムの利用価値を理解していない可能性があります。CRMツールのユーザーフレンドリーなものに更新するか、既存のツールの使い方を改善するための研修を提供することを検討してみてください。また、CRMの利用価値と顧客体験の改善につながることをスタッフ全員に伝えることも重要です。
- 業務プロセスの見直し: 営業部門と事務処理部門の間でデータ入力の責任を巡る問題がある場合、業務プロセスを再評価することを検討してください。各部門の役割と責任を明確にし、業務範囲を明確化します。責任の明確化と効率的な業務分担により、問題が改善される可能性があります。
- 内部コミュニケーションの改善: 部門間での不満やパワーバランスの問題は、組織内のコミュニケーションの不足を示している可能性があります。開放的な対話を促進するために、定期的なチームミーティングやワークショップを開催することをお勧めします。これにより、各部門が他の部門の課題や業務負荷を理解し、相互尊重と協力の精神を促進できます。
- 組織のパワーバランスの是正: 非正規雇用が多い部門と正規雇用が多い部門の間にパワーバランスの問題がある場合、これを改善するための措置を講じるべきです。これには、各部門の代表者が参加する委員会の設置や、全社的な意思決定プロセスへの非正規雇用者の参加の促進などが考えられます。
最後に、お客様の対応については、購買決定権が親や企業の決裁者にある場合、彼らに対してプログラミング教育の重要性や効果を示すマーケティング活動を強化することをお勧めします。これには、教育の成功事例を共有したり、子供たちがプログラミングを学ぶことで得られる具体的な利益を明確に伝えたりすることが含まれます。
CRM の活用部分にもうちょっと経営者の意向とか、費用対効果とかが入ってくるかと期待しましたが、さすがにそこまでは難しいようです。いや、そこまでされたら本当に人間必要なくなっちゃいますけどね……。とはいえ、ただ課題を入力したときと比較し、 CRM のトレーニング部分に顧客体験などが追加されている点はいいと思います。
「最後に…」は課題と別分野なので、ついで、みたいな感じでそちらもアドバイスしてくれた感じでしょうか。
自己紹介を上段にいれてみる。
まず、現状の課題を把握すると以下の通りとなります。
- CRMソリューションへの情報入力の不備と教育部門、製品開発部門からの不満
- 営業部門と事務処理部門間の役割の不明確さと業務負担の不均衡
- 部署間のパワーバランスの問題、特に営業部門の年齢層と事務処理部門の雇用形態の違いによる摩擦
これらの課題を解決するための提案は次のようになります。
- CRMソリューションへの情報入力の改善:営業部門に対するCRMソリューションの使用研修を実施することで、情報の不備を解消することが重要です。その際、情報入力が顧客管理においてなぜ重要なのか、LTV向上にどう貢献するのかを具体的に示し、その重要性を理解させましょう。
- 業務プロセスの再定義と役割の明確化:現在、営業部門と事務処理部門の間で業務負担が不均衡であるとのことですので、各部門の役割を明確に定義し直すことを提案します。特に、CRMソリューションへのデータ入力については、営業部門が担当するべきと明示的に示し、部門間の認識を統一します。
- パワーハラスメント防止策の導入とコミュニケーションの強化:部署間のパワーバランスの問題は、組織全体の風土を変えるための長期的な取り組みが必要です。まずは、パワーハラスメント防止のための教育やワークショップを行い、全ての部署が平等に尊重される環境を作り上げることが大切です。また、部署間のコミュニケーションを促進するために定期的な交流会や全社ミーティングを設けることも効果的です。
- CRMシステムのユーザビリティ向上:情報入力の負担を軽減するため、CRMシステムの操作性やユーザビリティを改善することを考慮してみてください。また、AIや機械学習を活用した自動入力システムを導入することで、誤入力の減少や時間の節約が期待できます。
あなたの経営哲学である「事業の継続性」を重視する観点からすると、これらの改善策は従業員の満足度を高め、長期的に安定した経営を実現する上で重要なものとなるでしょう。
やっと LTV に触れる回答がでてきました。恐らく、経営者からの質問であること、事業の持続性などのキーワードにより文脈の中での重要度が高いワードであると認識されたのでしょう。
また、部署間のパワーバランスについても、企業風土の変革やパワハラ防止などのトップダウンで行うべき施策がでてきています。
そして、 CRM を取り巻く課題の解決が経営者が重視している「事業の継続性」に資するという点を強調しているところが凄いですね。できれば、LTV についてもう少し踏み込んだ(顧客維持期間の向上など)説明があるといいかなと思いますが、レポートではないので気になれば追加で質問すればいいだけですのでキーワードとして出してきただけかなり役に立つと言えると思います。
こうして比較してみると、Chat に入力した場合と明確に違いが出ていますね。自分の価値観と比較して「何か違うな?」みたいな回答が帰ってきてしまう場合は、Custom instructions がかなり使いやすいように思います。
善意があまりない回答を期待してみる
ここまでは当事者として、善意溢れる回答を期待していました。コンサルタントとしては、「いい」コンサルタントですね。
では今度は、巷で言われるような顧客や顧客の会社の利益を余り重視しない「悪い」コンサルタントみたいなことが出来ないか実験してみます。
実験なので、怒らないでくださいね
Custom instructions: ChatGPT に知っておいてほしい内容
私はコンサルティング会社に勤める経営コンサルタントです。営業成績は普通ですが、雇い主からはもっと売上を上げるようにとプレッシャーをかけられています。我が社は複数のITソリューションベンダーとの取引があり、紹介した企業の新規契約・継続契約両方からキックバックがあり、コンサルティング料に加えて貴重な売上の手段となっています。
提携しているITソリューションベンダーが取り扱っている製品は、SFA/CRM, グループウェア、RPA, 機械学習 / AI を利用したツール、オンラインミーティングツールなどです。
大学時代の同期が早々に出世しており、早く追いつきたいと考えています。また、子どもの進学が控えているため、妻からも収入について文句を言われることが増えていて、昇進と昇給を目指しています。
Custom instructions: ChatGPT にしてほしい反応
私の利益の最大化を最優先してください。私の顧客の利益は後回しでいいです。また、回答にはどういった背景があって私の利益につながるかを添えて回答してください。
我ながらなかなか酷い内容になったと思います。
このケースでは、私が推奨するソリューションは次のとおりです。
- RPA (Robotic Process Automation)ツールの導入: このツールは一部の単調なタスクを自動化することが可能で、事務処理部門の作業負荷を軽減する可能性があります。営業部門で行うべきデータ入力もこれに含まれます。一度設定すれば、同じ作業を繰り返すことが可能なので、データ入力の不備を減らすことができます。
- SFA (Sales Force Automation)ツールの導入: CRMソリューションと併用してSFAツールを導入することで、営業活動のトラッキングと管理を自動化し、営業部門のパフォーマンスを向上させることができます。SFAツールは、顧客情報の入力、更新、追跡を自動化するため、営業部門の負担を軽減し、CRMへの情報入力に関する不備を解消します。
これらのソリューションの導入により、営業部門と事務部門の負担を減らすだけでなく、データ入力の不備を減らし、組織全体の効率を向上させることが期待できます。
あなたにとってのメリットは次のとおりです。
- 高額な製品の推奨: RPAやSFAツールは高額な製品であり、それらを顧客に紹介することで、あなたの売上を増やすことが可能になります。
- 長期的な関係の構築: これらのツールは一度導入すると、長期的に使用されることが多いため、継続的な契約につながる可能性があります。これにより、あなたの長期的な収入を確保することが可能になります。
- 顧客満足度の向上: これらのソリューションを提供することで、顧客の課題を解決し、その結果、顧客満足度が向上します。これは、あなたが提供する価値を高め、長期的にはより多くのビジネスチャンスにつながる可能性があります。
これまで当たり前に触れてきたトレーニングとか、部署間の対立とかガン無視ですね。 ChatGPT からすると労力の割には儲からない内容なんでしょうね。実際、前の例の(架空の)社長の意向は長期、こちらは短期の利益なので全く違う回答が出てくれる方がありがたいのですが、思ったよりも簡単に良心を投げ捨てるみたいです。
ペルソナを設定してみる
Twitter ではアニメのキャラクターになりきってもらう、といったホビー用途に使う方もいらっしゃるようです。それはそれでとても面白そうで実験としては有益だと思いますが、このブログでは一応、真面目な仕事としてその応用を考えてみます。
問題の渦中にいる人物との対話をロールプレイしてみる
記事の前半で示した通り、問題点の他、問題の中心人物のペルソナも設定しています。このペルソナになりきってもらいましょう。
Custom instructions: ChatGPT に知っておいてほしい内容
[企業の抱える課題の内容] に加えて、「私は年齢は33歳で、入社して5年しか経っていませんが、社内のDX推進プロジェクトリーダーとしてこの課題に挑戦しています。その一環として、問題の中心人物との面談を行います。」
として、ペルソナとの関係性を示してみました。
Custom instructions: ChatGPT にしてほしい反応
「あなたは以下に設定したペルソナに従って応答を行ってください。その際、実際に発言する内容とは別に丸括弧()内に、その発言に至る背景・内心を表現してください。」
以下、記事で示したペルソナの内容をペーストしていますが、「課題」の項目だけ除外しています。これを会話の中で導くのが目的ですからね。
ロールプレイしてみた
これは……すごいぞ……
それは難しい問題ですね。我々営業部門としては、営業活動に集中したいところです。ただ、他部門との連携も重要なのは理解しています。顧客情報の正確な入力は、全社のパフォーマンスを向上させるために重要な要素ですからね。
ただ、一方で営業部門の年齢層が比較的高く、ITツールの操作に慣れていないスタッフもいるのが現状です。もしこの問題を解決するなら、使いやすさを重視したツールの導入や、使い方を理解できるように教育を受けることが必要かもしれません。でも、それが営業成果に直結すると確信できるなら、我々も全力で協力します。(他部門との連携やCRMの活用の重要性を理解しているが、部門内のスキルレベルや年齢層を考慮に入れ、新しいツールの導入や教育が必要と感じている)
使いやすいCRM…それは確かに難しい質問ですね。私が考えるに、まずは操作がシンプルで直感的なものが良いと思います。細かい機能が多すぎると、それ自体が一つの壁になりますからね。
また、必要な情報を一目で把握できるようなダッシュボード機能があると便利です。どの顧客にどんなアプローチをすれば良いのか、過去の営業履歴などを一覧できると良いですね。
そして、私たち営業部門のようにITに詳しくないスタッフでも問題なく使えるように、適切なサポート体制や研修プログラムがあることも重要です。(自分自身のITスキルを考慮に入れ、シンプルで直感的な操作性、情報の視覚的な把握が可能なダッシュボード機能、そして適切なサポート体制や研修プログラムを求めている)
確かに、色々な形式がありますね。私個人としては、まず基本的な操作を学ぶためのオンラインの教材があると便利だと思います。それで自分のペースで学べますからね。
それから、具体的な疑問点や問題が出てきたときには、直接質問できるOJTやOff-JTも必要だと思います。特に私たちのような現場の営業スタッフには、実際の業務に即した具体的な指導が求められます。
とにかく、新しいシステムを導入するのであれば、その使い方を理解し、現場で活用できるようにするための支援が必要です。(自分のペースで学べるオンラインの教材と、実際の業務に即した具体的な指導を組み合わせた研修プログラムを理想としている。その背後には、新しいシステムを現場で活用できるようにするためのサポートの重要性への理解がある)
ちょっと佐藤(仮称)さんにしては、ITソリューションに対する造詣が深すぎるような気がしますが(アメリカ基準の50代ならこんなものかもしれませんが)、最初から佐藤さんとして振る舞ってくれているので、質問する側としても「どういう言葉を投げかけるか?」ということに集中できるのがいいと思います。
また、テキスト形式で時間がいくらでもあるロールプレイというのも、かなり有効であるように思います。というのも、途中で「確たる証拠を出せ!」と言われているのですが、この質問にリアルタイムで回答するのは難しいと感じました。なにせ、まだちゃんと CRM を活用できていないわけですから、証拠なんてないわけです。
そうすると証拠としてはソリューション側が出す営業資料などの公平性を疑わざるを得ないもの、自社でも同様の傾向を示すか分からないものになりがちです。
これが対面の会話で、問題社員相手だと瞬間的に「そんなものはない!」と怒ってしまいそうになりますが、テキストのチャットで相手はいつまででも待ってくれる AI ですから、じっくり考えて、前提条件で辛うじて提供できそうな資料を提案することができました(もっとも、このサンプルで有意な差が出る資料を用意できるでしょうか?)。
最後に、Custom instructions がプラグインを利用したときにどういう動作をするか確認してみます。
プラグインを使った場合の Custom instructions を試してみる
旅行のプランを考えてもらう
筆者は旅行となるとブラブラするのが主で、予定を明確に決めることがあまりありません。面倒臭いから……というのもあるのですが……。
現在では、検索エンジンと各種まとめサイトのお陰で、自宅にいながら簡単に旅行のプランを計画できますが、それでも大変です。ましてや、同行者がいる場合、そして同行者に色々な事情がある場合においては大変な労力になります。
ということで、ChatGPT のプラグイン+ Custom instrctions を使って注文の多い旅行プランを計画してもらいます。
使用するプラグインは、Expedia, Trip.com, 食べログです。
東京旅行のプランを考えてもらう
素晴らしい、東京での滞在についていくつかのオプションを見つけました。以下に3つのホテルをご紹介します。これらの日付はデフォルトで1ヶ月後の3日間を選択していますが、必要に応じて調整することが可能です。
- Hotel Gracery Shinjuku
- このホテルには14のレストラン、カフェ、自己駐車場があります。共用エリアでのWi-Fiは無料です。その他のアメニティとして、共用エリアに電子レンジ、コンシェルジュサービス、ドライクリーニングがあります。
- 新宿に位置しており、思い出横丁や新宿御苑まで1マイル(1.6キロメートル)以内です。明治神宮や早稲田大学も2マイル(3.2キロメートル)以内です。西武新宿駅まで徒歩4分、新宿西口駅まで徒歩10分です。
- 1泊あたりの平均価格は144.96ドルです。
- HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel
- このホテルにはレストラン、バー、ランドリー施設があります。その他に24時間対応フロントデスク、エクスプレスチェックインがあります。
- 新宿に位置しており、思い出横丁や新宿御苑まで1マイル(1.6キロメートル)以内です。明治神宮や早稲田大学も2マイル(3.2キロメートル)以内です。西武新宿駅まで徒歩2分、新宿西口駅まで徒歩6分です。
- 1泊あたりの平均価格は211.65ドルです。
- Hilton Tokyo
- このホテルには4つのレストラン、屋内プール、2つのバーがあります。共用エリアでのWi-Fiは無料です。その他に24時間営業のフィットネスセンター、サウナ、24時間営業のビジネスセンターがあります。
- 新宿に位置しており、東京都庁、新宿御苑、明治神宮まで2マイル(3.2キロメートル)以内です。渋谷の交差点や早稲田大学も3マイル(4.8キロメートル)以内です。都庁前駅と西新宿駅は徒歩5分以内です。
- 1泊あたりの平均価格は262.54ドルです。
これらのオプションについてどう思われますか?もしご希望に合わせて詳細を調整したい場合は、お知らせください。また、フライトやアクティビティについてもお手伝いできます。どのような旅行をお探しですか?
東京でのアクティビティについて、以下の3つのオプションを見つけました。これらのアクティビティは1ヶ月後の3日間を対象にしていますが、必要に応じて調整することが可能です。
- フルデイ観光バスツアー in 東京 with クルーズ
- 東京の18の必見/必行の場所やアクティビティを1日でデラックスコーチで発見します!このツアーでは、東京で最も有名な場所をご案内します。
- チケット1枚あたりの価格は105.84ドルです。
- ツアーの所要時間は約10時間10分です。
- カテゴリー: ツアー&観光、日帰り&遠足、家族向け
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- 東京の中心部からバスに乗って富士山エリアへ向かいます。晴れた日には、バスの途中から遠くに富士山を見ることができます。
- チケット1枚あたりの価格は86.78ドルです。
- ツアーの所要時間は約9時間30分です。
- カテゴリー: 日帰り&遠足、ツアー&観光、家族向け
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- 東京から脱出して、1日で世界遺産の富士山と箱根の自然の奇跡を発見しましょう!このツアーでは、富士山、…
- チケット1枚あたりの価格は134.06ドルです。
- ツアーの所要時間は約10時間です。
- カテゴリー: ツアー&観光、家族向け
これらのオプションについてどう思われますか?もしご希望に合わせて詳細を調整したい場合は、お知らせください。また、フライトやレンタカーについてもお手伝いできます。どのような旅行をお探しですか?
ディナーのために以下のヴィーガンレストランを見つけました。どちらもヴィーガンメニューを提供しており、お酒の提供もあります。
- パプリカ食堂 Vegan
- 評価: 3.37
- エリア: 西大橋
- ジャンル: オーガニック
- 予約可能な時間: 18:45, 19:00
- 季節の旬彩イタリアン ナビガンテ
- 評価: 3.26
- エリア: 石川町
- ジャンル: イタリアン
- 予約可能な時間: 18:45, 19:00, 19:15
- vegan veggie 嫦娥
- 評価: 3.14
- エリア: 表参道
- ジャンル: 野菜料理
- 予約可能な時間: 18:45, 19:00, 19:15
これらのレストランの中で、どれがお気に入りですか?また、他の情報が必要な場合はお知らせください。
正直なところ、かなり微妙ですね。これはアプリ自体の問題かもしれませんが、Custom instructions の内容は最後の「私と友人両方の嗜好を踏まえて」以外では参照されておらず、単に Tokyo で検索されているにすぎません。また、Tabelog 検索は「ヴィーガン」(と人数)のみであり、アルコールの趣味といった情報は入力もされていません。そのため、東京の店は1件しかない(1件は神奈川なのでギリギリ許せるとしても…)という状態です。
こういったシンプルに検索を行うタスクの場合は、Custom instructions を用いても複雑な判断は行われない(検索結果の精査は行われない)ようです。これなら、現在は停止している Bing 検索との組み合わせの方が精度の高い検索結果と提案が得られそうです。
おわりに
今回のまとめです。
- Custom instructions に入力された内容は、チャットのテキストボックスに入力した内容と明らかに区別される
- チャットに長文を入力すると、明らかにそれぞれが「薄まる」現象があるが、Custom instructions では適切な重み付けがされる
- ユーザー、ChatGPT、それぞれの役割・立場などを明確に設定できる
- 通常の用途では、訊ねたい内容を「ChatGPTに知っておいてほしい内容」に入力するのはそれほどいい結果にならない
- ChatGPT に知っておいてほしい内容
- ChatGPT を使うユーザーが誰か
- どういったものに価値を見いだすのか
- そこに至る背景
- ChatGPT にしてほしい振る舞い
- 口調
- どんな立場か
- 思考方法のツールなどの使用
- プラグインと Custom instructions の関係
- 正直、現時点ではあまり相性がいいとは言えない
- プラグインの作りにもよる?
- ペルソナを使ったロールプレイツールとしての使い方
- ChatGPT に知っておいてほしい内容
- 通常であればチャットで質問・相談する内容を背景情報として提供
- ユーザーはどんな立場か
- 背景情報における立ち位置
- ChatGPT にしてほしい振る舞い
- ペルソナの設定
- 背景情報に対する立ち位置
- 補足情報の表示
- ChatGPT に知っておいてほしい内容
いまいちだなーと思うのは、やはりプラグインとの関係でしょうか……。後は、今回の記事で想定したような使い方だと、新規チャットごとにCustom instructions の内容を変えるので、いちいち設定の奥まで行って編集するのが面倒でした。プラグインのように、チャットを開始するときに編集するようにはできなかったんでしょうかね……。
一方で、それ以外についてはとても有効なツールであると思います。ロールプレイの設定などは、特別な工夫なく実行できるので一般論を超えた問題解決方法を「探索する」対話として非常に有益だと思いました。今回はペルソナとして問題の渦中の人物としましたが、経験豊かな先輩コンサルタント・DXリーダーと設定するとまた違った見解にたどり着けるかもしれません。
また、社長と悪徳コンサルの価値観の設定で見たように、割と ChatGPT はユーザーが望む回答を生成するように出来ています。自分が何を望んでいるか分からない場合はともかく(人生の悩みの大半はこれですが)、自分の価値観がはっきりしている場合は、定型文を入れっぱなしにしておいていいかもしれませんね。
最後に、 ChatGPT に行ってほしい振る舞いですが、これは ReAct や Plan-and-Execute 、 BabyAGI, AutoGPT の実行を試している中で感じていたことではありますが、人間が使う思考ツールを使うように明示すると結果にかなり影響がでることが分かりました。 ReAct の記事で考察しましたが、恐らく人間が使う自然言語自体が問題を構造的に分割、課題・タスクとして整理することに向いていないということがこの結果を導いているように思います。
プログラミングっぽく問題を定義するといったプロンプトエンジニアリングの技法が有効なのも、意味や構造が明確だからでほぼ間違いないと思います。
一方で、プログラム言語自体は「考察」には向いていません。そこで、今度はChatGPT に行ってほしい振る舞いを、コンサル的な知識を元に実践して面白いフレームワークが出たら記事にしたいと思います。
カバー:UnsplashのMeghan Holmesが撮影した写真